どうも!菊之進です。
2020年に必要なビジネススキルとして2位に輝いた「クリティカルシンキング」とは何か?どのような能力で、どのような場面で役立つのか?どのようにしたら身につけることができるのか?お話しします。
記事の内容を動画で聞きたい人はこちら↓
▶︎YouTube:クリティカルシンキングとは?その意味とトレーニング方法3選
1.クリティカルシンキングとは?その意味について
クリティカルシンキングについて辞書を引くと、次のように定義されている。
物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること。批判的思考法。
出典:小学館
よって、クリティカルシンキングの意味は次のようにも捉えることができる。
- 感情や意見に左右されずに客観的に物事を判断する思考プロセス
- 常識や思い込みを手放す思考法
- 物事の本質を見抜いて的確な判断をする考え方
- 論理の前提を疑う考え方
- 新しいアイデアやひらめきが得られる考え方
- 自分の主張に説得力を持たらす考え方
2.クリティカルシンキングが注目される理由
世界の大手企業や主要団体などが加盟する世界経済フォーラムにおいて、2020年に必要なビジネススキル2位を獲得したクリティカルシンキング。なぜそれほどまでに注目を集めているのだろうか。
そこにはトレンドやテクノロジーがめまぐるしく変わり続ける時代背景がある。例えば、今回のコロナ騒動を思い浮かべてみてほしい。新型コロナウイルスが蔓延とする世界では、これまで価値があったものが突然その価値を失ったり、今まで上手くいっていたやり方が突然うまくいかなくなるということが平気で起こる。
それは、コロナに限りったことではない、日に日に進歩する人工知能も人の仕事を台頭するといわれている。そんな時代において、型にはまった考え方や古い慣習に縛られた思考は通用しない。世の中の動きに対して、これまでとは違った切り口、考え方、アイディアを取り入れ、自らの頭で思考を続けることが必要不可欠となってくる。クリティカルシンキングは、新しい時代を読み解きながら物事の本質を見極める際の助けとなるのである。
3.ロジカルシンキングとの違い
ロジカルシンキングは、ある前提があってそれをもとに結論を導き出す思考法と言われている。
これに対してクリティカルシンキングは、そもそもの前提に間違いがないか?結論を導き出す方法は適切か?導き出した結論は最も適した答えか?などを分析する思考法である。
それぞれの違いを分かりやすくするために具体例を一つあげる。たとえば僕が、あるイベントを企画したとする。企画理由は次の通り。
- 毎年恒例で開催しているから
- 毎年お客さんの受けがいいから
- 予算に余裕があるから
AだからBする。〇〇だから今年もこのイベントを企画する。これがロジカルシンキングの考え方だ。しかし、このロジカルシンキングにはいくつか穴がある。
- 毎年恒例で開催してるからイベントを企画するというのは、浅はかな考えじゃない?
- お客さんの受けがいいって、参加人数あたりどれくらいの割合?ほんの一部じゃないの?大部分はあってもなくても良いと思ってたりして
- 予算に余裕があるなら、他にも有益な予算の使い方を検討したほうがいいんじゃない?
- 総じてこのイベントを開催する必要は本当にあるの?
などなど、様々な角度から検討しなおすことができる。これがクリティカルシンキングだ。クリティカルシンキングの目的は、最も適正な解答を導き出すことにある。よって、ロジカルシンキングとクリティカルシンキングの両方が揃ってこそ、ビジネスではより大きな効果が期待できる。
4.クリティカルシンキングが役立つ場面
クリティカルシンキングはあらゆるビジネスシーンで役立つ。
- 顧客との交渉
- プレゼンテーションの場(説得力のあるセールストークで顧客の行動を促すことができる)
- 社内会議(革新的なアイデアや意見を出すことができ生産性の高い時間をすごせる)
- 残業削減(仕事にムダがないか?あらゆる角度から突き詰めることで残業時間を減らすことも可能)
- 意思決定(複数の選択肢からどれか一つ最適な案を決定する精度もあがる)
- 人材育成(相手の言いたいことを的確に理解でき筋の通った指導ができるようになる)
- 問題解決(問題に対して考えるべき点を抜け漏れなく押さえることができる)
クリティカルシンキングはざまざまな場面で役立ち、結果として仕事の質やスピードをあげることができる。
5.クリティカルシンキングを鍛える具体的な方法3選
①多角的な視点を養う
物事を結論づける際に、ある一つの側面だけで決め付けるのではなく、複数の側面を鑑みた上で判断する練習を行う。
例えば、24時間コンビニは必要か不要かという議題で話し合うとして、不要である方を選んだとする。選んだ理由について「私は、従業員さんが大変でかわいそうだから不要にした方がいいとおもいます」と述べたとする。しかし、これだけではきっとディベート対決で負けてしまうだろう。不要にした方がいい理由や根拠はまだ他にも考えられるからだ。
- 高齢者が多い地域は深夜営業の必要性はない
- 夜間の客数が少ない店舗も必要性がない
- 実際に深夜帯に店を閉めても24時間営業の時と売り上げに大差なかった店舗がある
- 深夜帯の自動車やバイクのエンジン音が近隣住民の迷惑になっている
などなど、ネットで調べたり家族や友人に話を聞いたりすれば、いろいろな考え方に触れることができる。このようにして、一つの意見に囚われずにあらゆる視点で物事を考えることで多角的な視点を養うことができる。ひいてはクリティカルシンキングを鍛える最良の方法となるのである。
②目的意識をもつ
日頃熱心に仕事に取り組んでいる真面目な人ほど、手段が目的化してしまうことがよくある。目的を達成しようと始めた手段が、いつの間にか目的にすり替わってしまうのだ。
たとえば、僕はむかし製薬会社の営業で働いていましたが、会社から次のようなノルマを日々課せられていた。
- 1日に10名以上のDrと面会する
- 1Drにつき自社の製品を最低2つ以上紹介する
- 週に2回は院内説明会をする
これは自社医薬品を世に普及するための手段であって目的ではないことは承知の上だ。しかし、これらの達成率は厳しく監視され、未達成であると上司からチクチクいわれる。不出来だと他部署の人たちの笑い者になることだってある。
それは嫌だからみんなノルマをこなすのに必死になる。そうしているうちに、いつの間にかノルマが目的化してしまう。言われたことだけしっかりやっておけばいい、ルーティーン業務だけこなしておけばいいというように思考が偏っていく。
この状態では、とてもクリティカルシンキングができているとは言えない。クリティカルシンキングとは、物事の本質を見抜き的確な判断をする考え方。物事の本質を見失わないためには、やはり目的を失わないことが大事。
例えば、「この病院で自社商品を新規採用する!」という目的を持てば、次のような行動指針が立てられる。
- この病院にとって自社製品を採用するメリットは何か?
- だれが薬を採用する決定権を握っているか?
- その人と面会するにはどうしたらよいのか?
などなど、いくつもの具体案が浮かぶ。ハッキリとした目的があるからこそ、新しいアイデアやひらめきが生まれるのだと僕は考える。
③疑問を持ち続ける
「あたりまえ」だと思っていることに対して疑問を投げかけてみる。クリティカルシンキングは常識や思い込みを手放す思考法であり、論理の前提を疑う考え方だ。
何故そうなのか?本当にそうなのか?と問いかけることで、無意識のうちに排除した事実や可能性に気づくことができる。たとえば、次のようなことは多くの人が常識だと信じていたりする。
- 暗い所で本を読むと目が悪くなる
- 子供が風邪をひいて熱がある時は厚着させて汗をかかせる
- 牛乳を飲めば背が伸びる
- 毛を剃ると濃くなる
しかし実際のところ、どれも医学的な根拠がない。それどころか間違っていると批判する医師や実験結果などもでてきている。常識をうたがってみることは、日々の職場生活においても応用できる。
- 上司に言われたから
- 古くからの慣しだから
- みんなやっているから
といった理由でおこなっていることは、本当に必要なのか?最良の方法なのか。あらためて問いかけてみるといいかもしれない。当たり前をうがたうことがクリティカルシンキングであり、疑った結果、これまで見えなかった新しい気づきが得られるだろう。
6.まとめ
クリティカルシンキングとは、物事や情報を無批判に受け入れるのではなく、多様な角度から検討し、論理的・客観的に理解すること。
ロジカルシンキングとの違いについて、ロジカルシンキングは、ある前提があってそれをもとに結論を導き出す思考法と言われている。
これに対してクリティカルシンキングは、そもそもの前提に間違いがないか?結論を導き出す方法は適切か?導き出した結論は最も適した答えか?などを分析する思考法。
クリティカルシンキングが役立つ場面は、顧客との交渉から問題解決にいたるまで、あらゆるビジネスシーンにおいてである。仕事の質やスピードをあげることができる。
クリティカルシンキングを鍛える具体的な方法は次の3点。
- 多角的な視点を養う
- 目的意識をもつ
- 疑問を持ち続ける
是非試してみて欲しい。クリティカルシンキングは多角的な視点をもつこてで鍛えられる。ワンパターンにならずにあらゆる可能性を探れる人を僕も目指したいと思います。それではまた!