どうも!菊之進です。
今日は、自分で考えて行動できる新人を育てるためにはどうしたらよいか?というテーマのもと、新人教育を上手に行うポイントを7つご紹介します。
こんなあなたへ
- 教育係を任されたものの上手くいかずもどかしさを感じている
- 丁寧に教えているのに理解してくれない
- 何度も同じ質問をしてくる
- 自分で考えて行動できない
- メモを取ってくれない
- 何度も同じミスをする
- 報連相が出来ない
- プライドが高くて扱いづらい
- 分かってないのに返事をする
- 物覚えが遅くてなかなかすすまない
- 教えることにつきっきりで自分の仕事の時間がとれない
記事の内容を動画で聞きたい人はこちら↓
▶︎YouTube:新人教育を上手に行う7つのポイント!自発性を促す教え方とは?
1.新人教育をするメリット・デメリット
新人教育はデメリットの部分だけに囚われると苦痛になってしまうので、メリットの部分にも目を向けることが大切!
◎新人教育のデメリット
・忙しくて自分の時間がとれない
・新人の分まで取るべき責任が増える
・頑張っても給料が増えるわけではない
僕自身も、入社3年目の時に任された最初の教育担当は辛かった。自分の仕事で手一杯のなか教えなきゃいけなくて、心はいつも余裕がなく、新人に八つ当たりをしてしまったことも。
無視したり、遠ざけたり、同僚に新人の不満をもらしたこともあったりで…本当に最低な先輩だった。しかし幸いなことに、社歴が長くなるにつれてデメリットよりもメリットの方に目がむくようになった。
◎新人教育のメリット
・優秀な人材に育てれば自分の仕事が楽になる
・チームの戦力になる人材に育てあげれば上司からの評価も上がる
・将来管理職になるときに必要な人材育成能力の基礎が身に付く
・人に教えることで最高の学びになり自分自身の成長につながる
などなど。新人と向き合った分だけ、自分の成長につながりチームの成長にもつながり、ひいては会社に大きく貢献できる。
教育担当をまかされた人は、理不尽な思いをしたり、どうしようもなく疲れてしまうこともあるだろう。そんな時は、休むことも大事。上手くストレスを発散しながら定期的にリフレッシュして、彼らと向き合っていこう。
2.効果的な新人教育を行う7つのポイント
①働く上で大切にしたい価値観を知る
新人教育を上手に行うポイントは、「新人が働く上で大切にしたい価値観」を知ることである。新人一人一人の性格や考え方、行動パターンを知り、どのようなことに興味・関心を示すか、を予め頭の中に入れて教育に臨むことが大切だ。彼らの価値観を把握することで、その後の教育が上手くいく。
まずはこちらをみてほしい。5〜10年前に比べて、次のような新入社員の割合が増えている。
- 楽しく生活したい(仕事よりプライベート)を重視したい
- 職場の上司、同僚が残業していても、自分の仕事が終わったら帰りたい
- 仕事はお金を稼ぐための手段であって面白いものではない 、やりがいは重要じゃない
- 職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない
- 人並み以上に働きたいと思わない、人並みで十分
- 昇進はどうでもいい。役職につきたくない
- 肩書きよりも、自分の能力や個性が活かせる面白いと思える仕事がしたい
(参考:公益財団法人日本生産性本部 平成 31 年度の新入社員「働くことの意識」の調査結果)
11年前、僕自身が新人であった時代と照らし合わせても、いまどきの新人の価値観は明らかに変化している。
僕が新人だった頃は、上司や先輩から「やるからには1番を目指さないと」とか、「努力すればインセンティブが入るから!」とか「昇進するための最短コースはこれ!」と言われてやる気をだしたものだが、そういった言葉はおそらく今どきの新人には響かない。むしろ煙たがられる。
それよりも、「一緒に定時で帰れるように頑張ろう!」とか「ここをこうするともっと作業が楽になるよ」とか「すこしずつ確実にスキルが身についてるね」とか、「会社の飲み会は好きな人だけが行けばいいから、無理する必要なんてないよ」といったほうが、きっと彼らの心に響くだろう。
大切なことは、彼ら一人一人の価値観を知ること。それぞれの考え方に合わせた指導をおこなうことでより効果的な教育が期待される。
②個性を活かした仕事を与える
新人のもっている自分らしさ、強みや特技を仕事に活かしてあげるのも教育担当者の大事な仕事。
- ITが得意なら、PC関連の仕事を
- 英語が得意なら、英語関連の仕事を
- 人付き合いが上手なら、コミュ力を活かした仕事を
新人が強みに思っていることを、みんなが困っているような仕事と上手く結び付けてあげれば、新人は自分に価値を感じる。こうした行いを続けることで彼らは自信をもち、自分のとるべき行動を考え、自分なりのやり方で成果を出す自発性も生まれるのだ。
実は僕自身、学生時代はパソコンが好きで自作パソコンを何台もつくっていた。そのせいか職場では、PCオタクだと思われて、「パソコン周りのお助け隊長」、とか「PCサポートセンター」というあだ名まで付けらたことがある。今考えるとこれが良かったのだ。
僕は職場の中で、PC関係に詳しい人という位置づけになり、PCの扱いに不慣れなおじさまたちを中心に頼られた。
それが嬉しくて、仕事で役立つエクセル表や、チェック表、業務マニュアルなんかもつくってみんなに共有した。だれかに命令されたとかでなく、気づいたら全部、自分の意思でやっていたのだ。
この現象を心理学では「ラベリング効果」と呼ぶ。人に何かしらの役割をあたえて任せてしまうことで、つまり、ラベルを貼ることで、貼られた人はそのラベルを強化していく傾向がある。自らの役割や仕事のゴールを理解し、自分のとるべき行動を考える自発性が生まれる。
つまり、PCお助け隊長などとラベリングされたぼくは、うまく上司の掌で転がされていたのかもしれない。
③締め切りが守れない理由を知る
新人の仕事が約束の期日に間に合わない理由は次の中のどれかにあたる。
- そもそもその仕事をする能力が足りていない(わからないところがある)
- 能力は足りているが、めんどうなので先送りにしている
- 完璧を求めすぎて時間がかかっている
- 優先順位の付け方を間違えている
- 抱えている仕事量が多すぎる(他にもやる仕事ことがたくさんある)
- (純粋に)忘れていた
- 締め切りに対する考え方が甘い
- わからないことがあっても質問しない
締め切りを過ぎてしまう原因を明らかにして、解決策を一緒に考えて導いてあげよう。原因がわかれば対処法もみつかる。
④仕事の目的と背景を伝える
仕事のやり方だけでなく、目的や背景まできちんと教えてあげる。仕事はテストの点を取るみたいに「ただ単に覚えれば良い」というものでもない。その背景にあることを知ることで興味が湧いたり面白くなったり、咄嗟の時も臨機応変に対応できるようになる。
例えば、レストランやホテルのウエイターやウエイトレスを思い浮かべてほしい。お客さんから「この料理おいしかったよ、これはどうゆう料理なの?」と聞かれた時に、しっかりと料理の説明ができる人なら、この人大したものだなと思うだろう。反対に「分からないので、ちょっと料理長に聞いてきます」と言われれば、「いや、いいよいいよ」とそこまでだ。
何が言いたいのかというと、単に料理を出すだけでなく、その料理を出した目的や背景まで語れるひとは強いということ。そしてそういう人は、お客さんから褒められるのでモチベーションを高く保って自ら仕事に取り掛かることができる。仕事に対して面白いと感じ、積極的に自ら進んで覚えようともするだろう。
⑤ステップバイステップで教える
人にものを教える時は、いろいろなことを一気に詰め込むよりも、一つずつ着実に教えるほうが脳への定着がよいことが分かっている。今日はこれについて、明日はこれについて、と欲張らずに一つのテーマごとに教えるほうが効果的だ。
区切り区切りで、教えた内容が理解できているか確認して次に進む。そうすれば彼らも「今日はこれを覚えた」「これができるようになった」と自分に自信がつき学ぶのが楽しくなる。
⑥メモにこだわらなくていい
手書きのメモにこだわる必要はない。メモを書かせるとどうしても書くのに時間をとられてしまうからだ。また、書いたはいいけれど、先輩の時間をあまり拘束してはいけないという気持ちからどうしても走り書きになる。
すると、あとから見返したときに、字が汚くて読み返せなかったり、どこに書いたか探してもみつからなかったりする。これはお互いにとって時間のロスになる。
新人の書いたメモが完璧でない限り、先輩は何度も同じ質問をされる可能性がある。「あれ、今の質問、前教えたはずなんだけど‥」とイライラの原因にもなりかねない。
そこでおすすめしたいのが、スマホだ。スマホであなたの指導を録音してもらったり、作業の様子を動画にとってもらったり、写真をとってもらおう。その方がメモより効率がいい。音声、動画、写真があれば、いつでも必要なときに好きなタイミングで彼らに振り返ってもらうことができるから。
メモだと「本当にこれであってるかな…」と不安になるが、音声だと間違いないので安心する。さらに、いちど教わったことを先輩に何度も質問して迷惑をかけることもなくなる。
くわえて、一度新人研修でつくった音声や動画、写真にファイル名をつけてしまえば、次の新人研修でもそのまま使える。一人一人の仕事量が多い時代だからこそ、教育にかける時間もなるべく短縮して効率化するのが良いだろう。
⑦上手に叱る
上手に叱るにはいくつかのコツがある。
- 個室で叱る(大勢の前で恥をかかせてはいけない)
- 人格否定したり侮辱してはいけない(君にはがっかりだ、こんなこともできないの、何度言ったらわかるの)
- 怒りの感情をぶつけたり、ムスッとした態度をしめしてはいけない(萎縮してチャレンジするのが怖くなる)
- 具体的な改善点を教えてあげる(もっとがんばれとかはダメ)
- 叱った後に褒める(〇〇なところはすごいと思う、感謝しているなど励ましてフォローする)
叱る目的は相手の成長を願って、意識と行動を改善してもらうこと。そのためには、何がダメだったのかを考えさせ、今後どうすればこの問題を解決できるのかを話し合うことが大切だ。
3.まとめ
新人教育はデメリットばかりではない。次のようなメリットもある。
- 優秀な人材に育てれば自分の仕事が楽になる
- チームの戦力になる人材に育てあげれば上司からの評価も上がる
- 将来管理職になるために必須な人材育成能力がみにつく
- 人に教えることで最高の学びになり自分自身の成長につながる
効果的な新人教育を行う7つのポイント
- 新人の「働く上で大切にしたい価値観」を知る
- 個性を活かした仕事を与える
- 締め切りが守れない理由を知る
- 仕事の目的と背景を伝える
- ステップバイステップで教える
- メモにこだわらなくていい
- 上手に叱る
以上。ぜひトライしてみてほしい。大変だとおもいますが今を乗り越えたらきっといいことがあります。応援していますね、それではまた!