どうも!アドラー流、営業マンの菊之進です。
2018年平昌オリンピック銅メダルに輝いた高梨沙羅さんも大絶賛のアドラー心理学「嫌われる勇気」。
世界が自分を変えてくれるのではない。自分自身が人生を切り開くことの大切さを教えてくれる。
とはいえ、嫌われる勇気を会得することは容易い事ではない。
アドラーの世界観は、順を追って一つずつ理解していくことが大切だ。
そこで今回は「嫌われる勇気」を国民的ゲームであるドラゴンクエストⅢに例えて紹介するコーナーを作った。
実際にゲームを一からプレイしてクリアするまでに撮影した97枚の写真から、アドラーの世界観を代表する12枚を厳選している。
- 「嫌われる勇気」を知りたい!
- 「嫌われる勇気」を身に付けたい!
そんなあなたに最適な記事になる様心がけた。
また、ベストセラーとなった岸見一郎先生の著書『嫌われる勇気』やフジテレビでドラマ化された『嫌われる勇気』のエッセンスを解説した。
「嫌われる勇気」に隠された真の意味とはいったい!?
「さぁさぁ、長い夜になる。熱いコーヒーでも用意しましょう」
1. アドラー心理学「嫌われる勇気」とは
1-1. 「嫌われる勇気」の意味とは
嫌われる勇気
一言で言うと、人から嫌われることを恐れずに、傷ついてもいいから前に進んで行こうよっていう勇気だ。
積極的に人間関係の中に入っていく勇気とも言えよう。
なぜ、人間関係の中に積極的に入らないといけないのか。
「すべての幸せも喜びも人間関係からしか生じ得ないから」である。
家の中にいれば人間関係のトラブルで騙されたり裏切られたり、傷付かなくても良い。
でも家の扉を開けて外に出ない限り、何も始まらないのである。
新しい世界のはじめの一歩を踏み出すために。
嫌われる勇気を持とう!と言う意味だ。
1-2. 「嫌われる勇気」が注目される理由とは
アドラー心理学「嫌われる勇気」は、誰もが抱える心の悩みを代弁し、解決してくれるからである。
どんな心の悩みか?
- 「こんな自分」「この程度の自分」が積極的に社会の中に出ていくのは気が引ける
- 「自分は人からどのように見られているのか」とても気になってしまう
- 現状を変えて未来を変えたいと思うのに、理想には程遠く、今ここに息苦しさを感じる
そしてさらに、悩みを解決できる具体的な方法を指し示してくれる。
嫌われる勇気は、人生の悩みを解決する方法を示す
- どうしたら、自分に自信が持てるのか
- どうしたら、人から見た自分に対して思い煩わなくて済むのか
- どうしたら、今まさにこの瞬間を楽しい人生にできるのか
将来に対して不安を抱える若者達が、幸せな人生を築くためのお手本にしたいと思う。
それこそが「嫌われる勇気」が注目をされる理由である。
1-3. 「嫌われる勇気」を持つことで人生がどう変わるか
人生を充実させることができる。
- 自分の生き方に納得できる
- 今この瞬間が楽しいし幸せだと思える
- ありたい自分に近づく実感が持てる
「嫌われる勇気」を持った人は、人生を幸福にするプラスのサイクルが回り始める。
嫌われる勇気〜正のサイクル〜
反対に「嫌われる勇気」がなかったらどうなるのか。
「嫌われる勇気」がない人は、人生を幸福にするサイクルが回らない。
嫌われる勇気〜負のサイクル〜
「嫌われる勇気」
言葉で言うのは簡単だが、実際身につけるのは楽じゃない。
でも大丈夫。
今の自分でもできる小さな「勇気」を積み重ねればいい。
「嫌われる勇気」を持って、ありたい自分を追求してみたら人生本当に変わる。
次の章では「嫌われる勇気」の持ち方をドラクエの世界に照らし合わせて考えてみた。
是非トライして見てほしい。
1-4. 「嫌われる勇気」を手にするまでの8つの手順〜ドラクエ仕立て〜
①嫌われたって良いじゃない
ではドラクエの世界で考えてみよう。
ドラクエで物語を先に進むのが怖いからと言って、自分の課題から遠ざかってしまうとどうなるか。
すなわち全ての村人からの提案や依頼を「いいえ」で答えていくと・・
「いいえ」を選ぶとこの先の通路を通れない
物語を進めることができないのだ。
先の通路に進めない。真実が聞けない。宝がもらえない。仲間もできない。転職できない。
当然クリアもできっこないのである。
つまり村人たちとの関係に積極的に踏み込んでいかなければ、魔王バラモスを倒すという課題は永遠に解決できない。
物語を進めるためには、積極的に選択肢「はい」を選んで進んでいくしかないのだ。
たとえ不安な気持ちがあったとしても。
現実世界も全く同じ。
まるでドラクエの主人公になったつもりで、選択肢「はい」を積極的に選んでいこう。
自分の課題に向き合っていこう!
ゲームの世界でなんの苦もなくできるように、自分のしたいことをして、言いたいことを言ったらいいじゃないか。
村人にどう思われようと関係ない。そんなこと怖れずに前に進んで行ったらいいのだ。
嫌われる勇気
嫌われたっていいじゃないか。嫌われながらも進んだらいいじゃないか。
それくらいの覚悟がないと自分の課題をクリアできないのだから。
②不安になっても良いじゃない
ドラクエの世界で考えてみよう。
ドラクエでも大きな不安を感じる場面がある。
新しい街を目指して新大陸を歩む時だ。
生死の不安
「全滅せずに無事街にたどり着けるだろうか。」
「装備弱すぎた・・薬草は使い切ったし。」
「やばい、キメラの翼がない。ルーラを使うMPもない!」
この様に不安はたくさんのマイナス要素の集合体だ。
解消するためには不安をしっかり受け止めて、一つずつ不安要素を取り除いていく努力がいる。
しかし事前に100%の不安を取り除くことは難しい。
どんなオリンピック金メダリストでも試合前の不安を完全に払拭できないのだから。
だったらば、不安になってもいいじゃないか。
それが己の成長の肥やしとなるのなら!
レベル上げ感覚で不安を乗り越える力
③ありのままの自分で良いじゃない
ではドラクエの世界で考えてみよう。
ルイーダの酒場でレベル1の盗賊(名前:ルーキー)を仲間に!!
劣等感をどう捉えるか
他のメンバーとのレベル差は40もある。がしかし、こんな状況でも楽しめちゃうのがドラクエだ。
「くそーあいつ足を引っ張りやがって!」なんて思わない。
たとえレベルが低くても盗賊には唯一無二の能力と特技がある。
とても素早く戦闘で最初に行動できる能力や、村に隠されたお宝を発見する特技だ。
それ故にメンバーの中の一人だけがレベル1でも邪魔だなんて思わない。むしろ重宝する。
現実世界も一緒だ。
自分は他者に劣っているだなんて思わなくても良い。
自分には自分にしかできないことがあるのだから。
そんなもの無くってもレベル1ならレベル1なりにできることがあるじゃないか。
- 誰にも負けない笑顔と挨拶
- ひたむきな向上心
- スポンジの様な吸収力で仕事を覚える姿勢
これらスキルは先輩や上司よりもフレッシュマンの方がレベルが高い。
だから自信を持って良い。焦らなくていい。今のレベルでできることを一生懸命したら良いのだ。
ありのままの自分でいいじゃないか。
君の尊敬する人だって初めからすごかったわけじゃない。
出発点は君と一緒。
ありのままの自分から始めるしかなかったのだから。
特別良くあろうと背伸びしなくても良いのだ。
④短所があっても良いじゃない
ではドラクエの世界で考えてみよう。
ドラクエでは、主人公を含め仲間の性格を自由に決定できる。
そして、決定した性格によってその後のレベルアップ時の各能力値の増え方が異なる。
そのためプレイヤーは躍起になってパーティーメンバーが理想の性格になるように時間を費やすのだ。
ちなみに能力値が高くなる性格ランキングベスト10位はこちら。
ドラクエⅢ 性格ランキング
こうしてみると10個ある性格のうち、半分は短所と言える。
けれど、「短所があってもいいじゃないか。むしろそれが強みになるのだから。」
そう思いながらプレイヤーは、それぞれの職業に最も活かせる性格を選んで楽しむのである。
ドラクエでは力や素早さなどの能力をUPさせる種を使って、自由に性格を決めることができる。
好きな性格を選び決める楽しさ
この様にゲームの世界でもできるのだから、現実世界でもできないことはない。
在りたい自分であるために、最適化した性格になることが。
⑤コミュ障で良いじゃない
ドラクエの世界で考えてみよう。
みんな知っているようにドラクエの主人公は相当コミュ症だ。
なぜなら、言葉数の少なさが尋常じゃない。
主人公は最初から最後まで「はい」か「いいえ」しか言わないのである。
コミュ障にもほどがある主人公
しかしながらそれでも、多くの村人の悩みや希望を叶えることで感謝される。
具体的には極悪モンスターから村人を救い出したり、依頼されたアイテムを見つけ出したり、人探しを手伝ったりだ。
その行いの中には、俗に言うコミュ力(上手に話せる)は全く関係ないことに気づくだろう。
感謝される主人公
行動あるのみ。無理に言葉で示さなくても良いのだ。
頑張って話す必要は何一つない。
⑥嫌なことは断ったって良いじゃない
ドラクエの世界で考えてみよう。
ドラクエの世界では、本筋の物語とは別にすごろく場なるものが存在する。
このすごろく場ではサイコロを振ってマスを進めるミニゲームとして楽しむことができるのだ。
楽しい楽しいすごろく場
もしも村人から「やあやあ勇者さん!俺と一緒にすごろく場で楽しもうぜ〜」
「俺は何としてもこのすごろく場をクリアしたいんだ、手伝ってくれ〜」
なんて、来る日も来る日も誘われたらどうするだろうか。
断る勇気が持てず、優しい自分に甘んじて引き受けてしまったならば、後悔するだろう。
なぜなら自分のやりたいことができず、誘ってきた村人の人生を生きることになるから。
それに「魔王バラモスを倒す!」という主人公自身の一番大事な課題が進めないからである。
嫌なことは断ったらいいじゃないか。
⑦楽観主義を導入しよう(楽天主義はダメ)
ドラクエの世界で考えてみよう。
ドラクエの世界では最も危険な思考はこれだ。
「大丈夫、きっとなんとかなるさ〜」
この楽天的な考えの元では、残念ながらご臨終だ。
ご臨終
- 戦闘前のHP/MPは満タンか
- 装備は整っているか
- 回復系アイテムは持ったか
- 必要なスキルは覚えているか
- メンバーの連携がしっかり取れるか
- 万が一のケースに備える策があるか
⑧勇気を出して貢献しよう
- 人から嫌われるのが怖い
- 不安を感じる事が多い
- 自分と他者を比べて劣等感を感じる
- 自分の性格が好きになれない
- 極端にコミュ障
- 他者からの依頼が断りづらい
- 楽天主義(なんとかなるさ)を採用している
貢献×貢献の力
2. 著書『嫌われる勇気』から学ぶこと
嫌われる勇気 引用:amazon
2-1. 内容まとめ
著書『嫌われる勇気』は、人生を幸せに生きるための具体的な方法が記載された人生の教科書になっている。
幸せは対人関係の中から生まれるもので、人との関わりを絶ってしまえば手に入らない。
あなたが幸せを感じた時を思い出して欲しい。必ずその背後には人が関係しているのだ。
例えば、他者からあなたへ、心からの「ありがとう」を受け取った時は嬉しかっただろう。
ではどの様にして対人関係の中から幸せを生み出すのか。
幸せを生み出す4つのステップを紹介しよう。
- 劣等感の克服
- 承認欲求を乗り越える
- 課題の分離
- 共同体感覚を持つ
これら4つのステップを踏んでいけば、幸せな人生を生きることができる。
しかし、決して楽な道のりではない。これら4つのステップを踏むには「勇気」が必要だ。
どんな勇気か?
人から見た自分は、どう見えているのか、どう思われているのか思い煩わない勇気だ。
これを著者の岸見先生は総じて『嫌われる勇気』と言っている。
著書『嫌われる勇気』では、先述した4つのステップを歩んでいく方法を青年と哲人の対談形式で学ぶことができる。
青年になったつもりで、アドラー心理学の扉を叩いて欲しい!
2-2. 幸せな人生を生きるための4つのステップ
①劣等感を克服する
そもそも、劣等感とは理想の自分と現実の自分とのギャップである。
例えば劣等感とは、このような感覚だ。
- どうして俺は、仕事のスピードが遅いんだろう
- どうして俺は、仕事の飲み込みが悪いんだろう
- どうして俺は、上手く人と会話できないのだろう
この時に、他者と自分を比較し始めると劣等感から劣等コンプレックスとなる。
- どうして俺は、〇〇より、仕事のスピードが遅いんだろう
- どうして俺は、〇〇より、仕事の飲み込みが悪いんだろう
- どうして俺は、〇〇みたいに、上手く人と会話できないのだろう
実はこれが厄介で劣等コンプレックスを持つと、自らの課題に立ち向かうことができなくなる。
例えば、こんな事例がある。
「私、昔から人前に立つと緊張して、早口になってしまうんです。だから、みんなが羨ましい。私ほどは緊張しないみたいで」
実は、人前で緊張することと、早口になることは因果関係はない。
しかし、そこに見かけの因果律を立て、自らが取り組まないといけない課題から逃げようとするのだ。
自分を守るために、自分が傷つかないように言い訳をする。
これが劣等コンプレックスの問題点だ。
どうしたら劣等コンプレックスを抜け出せるだろうか。
他者と比較してしまう自分から解放されるのか。
純粋な劣等感を自らの成長の糧にできるのか。
そのためには、これしかない。
ありのままの自分、普通であることの勇気を持つ。特別であろうとしなくても良い。
先の例を挙げるなら、早口の自分を認めること。
早口でもえ〜やんって!
例えば、上手なプレゼンテーターは、話す内容によって速く、普通、ゆっくりと話す速度を使い分ける。
だから、早口で話すのも魅力的だ。なぜなら、ゆっくりしか話せないタイプも沢山いるから。
ゆっくりタイプは逆に速く話したいという希望があることも知っておこう。
短所は長所になる。まずは自分の短所を認めてあげよう。
自分は劣っていると思うことから抜け出そう。
短所は長所にもなる
「とは言っても、やっぱり他者と自分との能力の差が気になるんです・・」
という場合は、山登りをイメージしよう。
山登りをする時に、山頂まで登っている人のことをこんな風に思うだろうか。
「あの人は凄いなぁ。それに比べて俺はまだ山の麓(ふもと)なのか!辛い、苦しい、もういっそのこと登るの辞めようかな。」
誰も思わないだろう。
山頂にいようが麓にいようが楽しめる!
劣等コンプレックスもまったく同じでコンプレックスにする必要がない。
比較対象の他者は、確かに知識や経験といった側面から、自分より先を進んでいるかもしれない。
しかし、山登りで言えば、登り始めた時の時間が早かったか、進む速度が速かっただけの話。
山の麓の景色もとっても綺麗だし、麓にしか生息しない植物や昆虫、動物がいるだろう。
上の人が見落としてしまった魅力あるスポットを発見することもある。
だから他者と比較して焦る必要は全くないのである。
②承認欲求を捨てる
承認欲求が強いと人生が辛くなる。
例えば恋愛。
「俺はこんなにもあいつに尽くしたのに・・・なんで分かってくれないんだ」
例えば仕事。
「俺はこんなにも会社に尽くしているのに・・なんで評価されないんだ」
このようにGive And Takeの考え方を人生に採用していると危うい。
「〇〇したのに〇〇してくれない」
「〇〇しないなら、〇〇してあげない」
承認欲求が強い人は、知らず知らず自分の行為に見返りを求めるケースが多いのだ。
つまり、見返りがないなら行動しないということになってしまう。
こうなると、自己成長は止まる。
例えば、ラーメン屋でラー油や胡椒の瓶が埃をかぶったり、汚れていたりしてもそのままにしていることが結構ある。
バイトはきっとこう思っている。
「掃除しても給料は増えないから、無駄な仕事はしない」って。
でもそんな考えでは成長できない・・残念ながら。
Give and Takeの考え方では、自己成長はないのだ。
ではどうしたらいいだろうか。
生きること全般をGive and Giveだと割り切るのだ。
Give and Giveの考え方を採用すると、自分の行為の価値が自分でわかるので殊更に人から承認されることを求めることがなくなる。
先ほどのラーメン屋の例で言えば、給料が上がらなくても、お客さんが喜んでくれるように綺麗に掃除する。
そうすれば、お店にやってくるお客さんも自然と喜んでくれる。
バイトは給料が増えなくても自分の行った価値を実感することができる。
見返りを求めない人と求める人。
あなたはどちらの人を応援したいだろうか。
③課題の分離をする
あらゆる対人関係のトラブルは人の課題に土足で踏み込んだり、踏み込まれたりすることから生じる。
例えば、教育。
「私がこんなにお前のために塾や習い事に通わせて、勉強する機会をたくさん作ってあげたのに」
「あんたは何で勉強しないのよ。私を困らせたいの?」
母親からこれを言われた子供はどう思うだろうか。
例えば、仕事。
「俺があんなに教えてやったことを、あいつは全然実践してないじゃないか!」
「あ〜〜イライラする、時間の無駄やったな」
上司からこれを言われた部下はどう思うだろう。
いずれも、子供や部下の課題に勝手に踏み込んでしまった結果である。
課題の分離の問題点は、踏み込んだ自分も踏み込まれた相手もお互いが辛いということ。
相手の心の悩みに土足厳禁!
これを解決するには、次の2つを意識しよう。
- そもそも相手の課題に踏み込まない
- 自分自身の課題に誰も踏み込ませない
これをアドラーは課題の分離と定義し対人関係の出発点としたのだ。
「他人の課題を切り捨てよ」
他者を支配したり操作したりできないというのがアドラー心理学の大前提。
相手の人生を生きるのは大変なのだ。その逆に自分の人生を相手に任せてもいけない。
お互いが自立を目指していく姿勢が大事だ。
先輩や後輩からややこしい課題をふっかけられたら、真剣にのったらダメ(笑)
「それはあなたの課題です」
と丁重にお断りしましょう。
④共同体感覚を持つ
「自分自身の幸福と人類の幸福のために最も貢献するのが共同体感覚である」
とアドラーは言う。
共同体感覚(アドラー心理学のゴール)
共同体感覚とは、他者を仲間とみなし、そこに自分の居場所があると感じられる感覚だ。
この感覚があると仲間たちのためにGive and Giveで貢献しようと思えるのだ。
相手のために尽くすのではなく、自分の価値を実感するために貢献することが大切!
共同体感覚を得るための3つポイントはこれ
自己受容
劣等感を克服し、ありのままの自分を受け入れる。
他者貢献
自分が役立たずではなくて何らかの形で貢献していると思えた時。自分のことが好きになる。
他者信頼
他者に貢献するためには他者を仲間だと信頼できないといけない。
他者を敵だと思ってる限り貢献できない。
以上。
これら3つを身につけて、共同体感覚を得よう。
共同体感覚はプラスのサイクルでしかない。
サイクルをどんどん回して、人生をどんどん幸せにしていこう!
2-3. 著者の岸見一郎先生とは
岸見一郎先生 引用:岸見一郎 公式ホームページ
1956年京都生まれ、京都大学で西洋哲学を研究、現在は哲学者やカウンセラーとして活躍される。
日本におけるアドラーブームの立役者としても知られ、アドラー心理学に関する多くの著作がある。
中でも2013年に刊行した『嫌われる勇気』は100万部を超える大ベストセラーとなっている。
岸見先生のアドラーとの出会いは、友人の紹介で読んだのが始まりだった。
その当時、岸見先生は子育てに悩んでいた。
子供の保育園の送り迎えを始めた時、保育園の時間になっても子供は動かない。朝起きるのも遅い。
子供とどう関わっていくかの教科書として、アドラー心理学を選び学び始めたのだ。
時間が経ち、そんな子供も大学生となったある時、子供からこう言われた。
「お父さんは、そんなに人から嫌われるのが怖いのか」と。
人の顔色を伺う、気にしすぎなんじゃないかということを指摘してくれた。
著書『嫌われる勇気』のタイトルはそんな岸見先生自身の戒めの言葉と思われる。
人からどう思われるか悩み、今が生き辛いと思ってる人は、まず『嫌われる勇気』を読まないともったいない。
現在、岸見先生は仕事、子育て、恋愛とあらゆる分野にアドラー心理学を応用し、世界を変革すべく講演活動に勤しんでいる。
3. フジテレビ『嫌われる勇気』の面白さ
嫌われる勇気 引用元:フジテレビ
ミステリー事件を追いながらアドラー心理学も同時に学べちゃうハラハラドキドキ新感覚の刑事ドラマだ。
原案は、大ベストセラーになった岸見一郎と古賀史健の著書『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)
「全ての悩みは対人関係の悩みである」と言うアドラーの言葉をこのドラマに置き換えるのならば。
「全ての犯罪は対人関係の悩みから生じる」と言える。
ドラマでは、ナチュラルボーンアドラー(生まれながらにしてアドラーの考え方が備わっている)である主人公の庵堂蘭子(あんどうらんこ)が、あらゆる角度から事件の対人関係を紐解いていき犯人像に迫っていく。
「嫌われる勇気」を持って難事件を解決し、自らの過去に勇敢に立ち向かう安藤蘭子の姿は一見の価値あり。
3-1. キャスト
庵堂 蘭子(あんどう らんこ)/ 香里奈
警視庁捜査一課8系の中でも右に出る者がいない優秀な刑事。
彼女の武器は抜群に優れた観察力と謎を解明するアドラー流思考。
口癖:「その考え明確に否定します」
青山 年雄(あおやま としお)/加藤 シゲアキ
安藤蘭子のバディで明るくひたむきな新人刑事。
彼の取り柄は真っ直ぐな向上心。
「確かに庵堂さんは身勝手だし手がかかります」
「一緒にいて腹が立つこともしょっちゅうです」
「でも僕は庵堂さんに勝ちたいって思ったことはありません。だって一緒に事件を解決していく仲間ですから」
大文字 哲人(だいもんじ てつと)/ 椎名桔平
帝都大学で心理学を教える教授の傍、警視庁と連携し事件の犯人像に迫る特別コンサルタント。
「今あなたが知るべき大切なことを教えましょう。そう嫌われる勇気です。」
3-2. ストーリー
最強アドラー女子、庵堂 蘭子による難事件の解決とバディである新人刑事の青山 年雄の成長を描いていく。
ドラマ中での大文字教授と青山刑事の対談は、まさに原案『嫌われる勇気』の青年と哲人の対話を再現している様だ。
各ストーリで学べるアドラー流思考はご覧の通り(菊之進の見解による)。
1話 最強アドラー女子が始動!勇気の心理学で連続殺人の謎を解け(劣等感の克服)
2話 呪われた部屋の謎!ブラック企業狂想曲!(目的論の考え方)
3話 競争に殺された教師!女対女緊迫の頭脳戦(劣等感の克服)
4話 容疑者は一族全員!承認欲求を否定せよ!(承認欲求の回避)
5話 美しき計画殺人!血塗られたバレンタイン(課題の分離)
6話 被害者は元カレ!?遺体が語る四年前の約束(共同体感覚、他者への信頼)
7話 仲間を救え!刻む死の秒読み爆弾魔VS蘭子(共同体感覚、他者への貢献)
8話 死者からの復讐!?連続殺人犯からの招待状(今この瞬間を生きる大切さ)
9話 黒幕は誰だ!真実が引き裂く孤独なバディ(原因論からの脱却)
10話 8係最後の事件!真犯人はそこにいる!!(共同体感覚、他者への貢献)
3-3. 見どころポイント
①上下関係こそ真とする刑事の世界と、人間は対等であると貫く蘭子の世界の掛け合わせが斬新。
②さらにドラマに沿って繰り出す大文字先生のアドラー解説が分かり易い。
③なんとアドラー心理学会からフジテレビに抗議文が!(※ネタバレ注意)
学会の抗議内容を一言で代弁すると
同僚に冷たい態度をとる庵堂 蘭子にはアドラーの最も大切な思想である「共同体感覚」が欠けているのでは?
ということだったが・・・
実は僕もこのドラマの一話を見て全く同じことを思った。
だけれども最終回まで見てその考え方は自然と消え去った。
確かに庵堂 蘭子には仲間への思いやりに欠けているのかもしれない。
仲間の考えを否定する場面も多く共同体に馴染まない様子も伺える。
しかしその反面、誰よりも一生懸命になって事件の真相に迫っていくのだ。
そして、そんな蘭子を見て周りの同僚達までもが蘭子の力になろう!って協力し合うのだ。
これも結果的に、共同体への貢献であり、共同体感覚があるとも考えられる。
- 「事件」という同じ課題に向かって、皆が力を合わせること
- 同じ課題を解決し、皆が皆のために貢献し合うこと
この2つが満たされるなら、たとえ蘭子がどんなに冷たい性格に見えたとしても「共同体感覚」がある。
共同体感覚は単なる馴れ合いではなく、仲間が一緒に成長していける感覚であると僕は理解している。
4. まとめ
「嫌われる勇気」を持つ面白さは、実はみんなが疑似体験している。
今回、ドラクエの例を挙げたが、まさにロールプレイングゲームで主人公を操作する体験だ。
ゲームの主人公を操作する時、村人や仲間との人間関係で気に病んだりして夜眠れないなんて事はない。
むしろ主人公を取り巻く人間関係の展開にワクワクしながらプレイする。
またレベルを上げて新しい技を覚える楽しさ、一つまた一つと課題に立ち向かいクリアする楽しさを噛み締める。
僕が思うに現実世界も同じだ。
山を越え谷を越え、成長する自分を楽しみたい。
ドラクエの主人公になりきって、自分の課題を乗り越えたいと思うのだ。
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