どうも菊之進です!
今日は、部下や後輩の上手な育て方!タイプ別にみる指導のポイントについてお話しします。
上司・先輩にとって、部下・後輩は大切な存在です。そんな彼らに「最良の指導」をしたいと願うのは当然のことです。
常日頃から、彼らを観察し、どうすればやる気や成長を促せるかと、試行錯誤されていることと思います。
しかしながら、精一杯目をかけているのに、「部下がなかなか育たない」「指示どおりに動かない」「やる気を感じない」「同じミスばかりを繰り返す」などして上手くいかず、悩まれている上司の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、部下をタイプ別にわけて、それぞれの指導のポイントをお届けしたい思います。
記事の内容を動画で聞きたい人はこちら↓
▶︎YouTube:部下や後輩の上手な育て方!指導に悩んだ時の4つの処方箋
1.タイプ別にみる!部下の指導ポイント・育て方
①ミスが多い部下
部下が同じような失敗を繰り返す、ミスばかりでなかなか成長しないという場合、どうしたら良いのでしょうか。
同じミスを繰り返す原因は、いくつか考えられます。
- 作業内容や手順がきちんと身に付いていない(成長段階にみられるミス)
- 作業に対して表面的には理解していても本質をおさえていない(理解が不十分で起きるミス)
- 作業の振り返りやチェックが不十分な(確認ミス)
- 精神的な疲れや気の緩みで起きる(うっかりミス)
- 自分は正しいと勘違いしている(思い込みによるミス)
このように、ミスをする原因は様々です。
もしあなたの部下が次も同じようなミスをしたら、1:1で面談の時間をとったほうがいいかもしれません。その際に、ミスが起きてしまう原因を模索し、本人に改善策をだしてもらいます。
その改善策が本当に実行できるような、具体的なものかを見極めてください。
たとえば「次からは、うっかりしないように気を付けます」とか「ミスしないように目を皿のようにして確認するようにします」といった曖昧な策では不十分です。精神論でいくら頑張っても、また同じ間違いは繰り返してしまうからです。
そうならないためにも、改善に向けた具体的な行動案を出してもらいます。
「ミスの多い作業工程のマニュアル化」や「確認ミスを防ぐための業務のチェックリスト」など、具体的に行動を起こせるようなものを本人に作ってもらいましょう。あとは、それが十分な内容になっているかを確認し、改善ポイントを指導してあげたら大丈夫です。
ミスの多い部下にはついイライラして怒りたくもなりますが、ここは落ち着いて、責めたりせずに原因を見つけてあげることが大切です。
②報・連・相をしない部下
報連相をしない部下の気持ちは大抵の場合、次の3つのどれかにおさまります。
- 「ただでさえ忙しい上司に頼ることで迷惑をかけてしまうのではないか」
- 「これくらい自分の力で解決しなきゃいけない」
- 「正直に話して、怒られるのが怖い」
部下の自発的な報連相を促すには、これらの壁を壊してあげる必要があります。
そこで有用なのが「お」「ひ」「た」「し」です。部下の報連相にはおひたしで返しましょう。
「お」:怒らない、失敗やミスに関する報告でも怒らないようにします。カッとなって怒ってしまうと相手は萎縮して次から報告してくれません。
「ひ」:否定しない、相手の考えや意見を頭ごなしに否定せずに一旦うけとめます。そのうえで、上司としての意見を伝える姿勢が大切です。
「た」:助ける、部下が悩んだり困ったりしている時は、積極的にサポートをします。
「し」:指示する、部下の報連相に対して次につながる対策を考え指示を出します。
報連相におひたしで返すことで、部下からの報連相も自然と増えていきます。より良い関係性を築くことができ、問題解決や業務改善もスムーズに行えるでしょう。
③仕事が遅い部下
部下の作業があまりにも遅い。「ここはこうした方が早い」「いついつまでにやって」と言ってるにも関わらず、なかなか進歩しない。そんな場合は、指示した業務のどこに時間をかけているのかチェックします。
例えば、部下にプレゼン資料の作成を依頼したとしましょう。
資料作成と一言でいっても、その仕事は細かいタスクに分かれます。情報収集から、情報の取捨選択、骨組みの作成、要約、グラフの作成、レイアウト、タイトルの決定など全てひっくるめて「資料作成」です。
このうち部下が、どこに時間をかけているのかを把握します。それができたら作業が滞る原因を見つけて障害を取り除いてあげます。
- ムダなことをしてないか
- 重要ではないところに時間を割いていないか
- 効率化できることはないか
- 仕事の順序が間違っていないか
- きちんと理解が追いついてるか
といった観点でみてあげれば、原因が浮き彫りになり、仕事を早くするための改善策も打ち出せます。
なぜここまで丁寧にみてあげないといけないのかというと、部下自身も自分の仕事が遅い理由が良くわかっていないからです。
自分すら気づいていない問題に、いかに気づかせてあげるかもマネージャーとしての大事な役割の一つです。
④やる気がない部下
部下が、ただ言われたことをやるだけで、やる気がないように見える…。どうしたら部下がやる気をだしてくれるのか分からない…。この場合、どうしたらいいのでしょうか?
まずは、部下の仕事に対する価値観を知ることが大切です。「あなたは働く上で何を一番大切にしていますか?」と尋ねてみればいろいろな意見が出てくるでしょう。
- 上を目指したい(昇進したい)
- やりがいのある仕事をしたい(チャレンジしたい)
- 専門性や技術を高めたい
- もっている資格を活かしたい
- クリエイティブなことをしたい
- 社会的に意義のあることを成し遂げたい
- ワークライフバランスを実現したい(仕事と家庭の両立)
- チームで一体感をもった仕事がしたい
などなど。
部下の価値観を把握できたら、今度は彼らの考え方を尊重しながら、やる気を引き出すアプローチをします。
この時のポイントは彼らの価値観を無視しないということです。
例えば、ワークライフバランスを大事にしたいという部下に、昇進や、やりがいをチラつかせても、彼らのやる気は引き出せません。逆効果になります
それよりかは、定時退社や有給消化を思い切って勧めたほうが、やる気に火がつくでしょう。もちろん、ただ仕事の終了時間をはやめるのではなく、今まで以上に仕事の生産性をあげることを条件にしていいと思います。条件があるからこそ燃えます。
部下の仕事に対する価値基準を知り、今の環境で部下が望む状態に近づけてあげましょう。頑張る目的を与えれば、彼らは意欲的に仕事に取り組もうとします。
2.部下を育てる本質は「山本五十六」の言葉から
部下の育成で参考になる考え方は、山本五十六の言葉に全て詰まっています。
山本五十六とは、太平洋戦争時に連合艦隊司令長官を務めた人物で、今なお多くのリーダーがお手本とする人です。人材育成において彼の言葉はよく引用されるため、ご存知の方も多いでしょう。
人を育てる極意は、彼のこの一言にあります。
『やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ』
この言葉を一つずつ分解して、それぞれに込められた意味を紐解いていきますね。
①やってみせ
部下が期待通りに動いてくれないのは、彼らの理解度に問題があるのかもしれません。口頭で説明したり指示しても行動が変わらないと場合、率先してお手本を見せてあげましょう。「百聞は一見にしかず」。人は、耳できくよりも目で見た方が理解が進みます。
②言って聞かせて
説明の要所要所で部下の理解度を確認しながら、言って聞かせます。相手がどの部分で悩んでいるのか、不安になっているのかを聞きだすのがポイントです。つまづいているところに焦点を当てて説明すれば、相手の理解も深まります。
③させてみせ
言って聞かせたら実践です。ここで大事なのは、やらせっぱなしにしないことです。能力や成果が上がらない部下には、実践後のフィードバックも積極的に行います。彼らの課題や悩みを把握し、改善に向けた取組みを促します。
④ほめてやらねば
褒めることは部下のモチベーションをあげるのに効果的です。単に「よくやった」、「がんばったな」と言うのではなく、具体的にどの部分がよかったのかを伝えます。「プレゼンの言い回しがわかりやすかった」とか「顧客を気遣うやり取りがすばらしかった」といった具合です。
オーバーに褒めたり、心にもないことをいう必要はありません。本当に感心したときに本音で伝えましょう。褒められた部下はやる気を出し、仕事が好きになります。
⑤人は動かじ
ここまで紹介したステップを踏むことで、ようやく部下の理解と信頼が得られます。
任せた仕事を期待通りにこなしてもらうには、骨の折れるマネジメントが必要になりますがそれだけ、じっくり時間をかけて育てた部下は、仕事ができる優秀な人材になる可能性を秘めています。
『やってみせ 言って聞かせて させてみせ ほめてやらねば 人は動かじ』実はこの言葉には続きがあります。
⑥五十六の言葉には続きが…
話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず
やっている 姿を感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず
ここでのポイントは「承認」です。
承認とは、ただ相手の存在を認めることです。相手を褒めたり、(〜が良い・悪い)と評価することではありません。部下は承認されることで安心感を得ます。次の目標へ向けて前向きな行動を起こそうと思うのです。
それでは「承認」とは何か?いくつか具体例をだしますね。
「君は毎朝人より30分ほど早く来て、机の上をふいてくれているね」
引用:承認とは?コーチングスキルによって部下が明るく元気になる!
「今回の成績は、前回より18%伸びているね」
「この1ヶ月お客様のところに訪問することが楽しそうだね」
これが承認です。部下の行動や具体的な成果など、ありのままを伝えます。
たったそれだけで、承認された人は明るく元気になります。自分の成長を認識し、さらなる高みに向けて挑戦するエネルギーを得るのです。
部下が、何かに挑戦したり頑張っている姿をみたら、その行動を取り上げて承認してあげましょう。承認は、応援や励ましという言葉に近いです。部下の信頼を得ることにもつながります。
3.まとめ
今回は、タイプ別にみる!指導のポイント・育て方についてご紹介しました。
①ミスが多い:このタイプは、改善に向けた具体的な行動案を出してもらいます。「ミスの多い作業工程をマニュアル化」したり「確認ミスを防ぐための業務のチェックリストを作る」など具体的に行動が起こせるようなものを本人に作ってもらいましょう。
②報・連・相をしない:このタイプには、怒らない、否定しない、助ける、指示するの「おひたし」で返しましょう。そうすることで部下からの報連相も自然とふえます。お互いの関係性がよくなり、問題解決や業務改善もスムーズに行えるでしょう。
③仕事が遅い:このタイプは、本人もなぜ自分の仕事が遅いのか良くわかっていません。なので指示した業務のどこに時間をかけているのかチェックします。それができたら作業が滞る原因を見つけて障害を取り除いてあげます。
④やる気がない:このタイプはまず、仕事に対する価値観を把握しましょう。その上で今度は彼らの考えを尊重しながら、やる気を引き出すアプローチをします。頑張る目的を与えれば、彼らは自ずとやる気を出して仕事に取り組みます。
以上です。部下の育成をどうしていくか、上司であれば尽きない悩みですよね。
上手くいかないことも多く大変だと思いますが、根気よく育ててあげてください。その思いはきっと部下にも伝わり、時間はかかっても優秀な人材に育つでしょう。
ここまでご覧いただきありがとうございました!それではまた、次の記事でお会いしましょう。