どうも!菊之進です。
今日は有給休暇を取得したい時に使える理由と、断られた時の対処法についてご紹介します。
こんなあなたへ
- 職場で有休が取りづらい
- 有休申請をすると嫌味を言われる
- すんなり許可してもらえない
- 上司が納得する理由を伝えなければならない
- 休みがもらえたとしても強い罪悪感を感じる
- 有給消化ができず貯まっていく一方
最初に、これだけは言わせてください。
有休申請を拒否する。まともな理由がないと有休を取らせない。有休をとると会社からの評価が下がるような物言いをする。このような上司の対応は、違法性が高い行為となります。労働基準法に違反するからです。
とはいったものの、上司に向かって「あなたそれおかしいですよ?法律違反してますよ」と言える人はいないと思います。
そこで今回は、有給休暇としてふさわしい理由、使えそうな理由を注意点を交えながらいくつかピックアップしました。さらに、それでも有休を取得させてくれない時の対処法についてもまとめております。
記事の内容を動画で聞きたい人はこちら↓
▶︎YouTube:有給休暇を取得したい時に使える理由7選!もし断られたら?
1.必ず知っておいてほしい有休の基礎知識
有給の基礎知識として、これだけは絶対に押さえておいてください。次の3点です。
- 有休取得は願い出るものではなく、届け出るものである
- 会社には有給取得を拒否することはおろか許可する権限すらない(法律上、請求されたら必ず与えなければなりません)
- 会社にあるのは時季変更権のみ
どうゆうことなのでしょうか?順を追ってご説明しますね。まず①と②ですが、これは労働基準法39条に明記されています。
第三十九条 使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
第三十九条5項 使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。
労働基準法
会社は従業員が希望する日に有給休暇を与えなければならないと法律で決まっています。申請理由の内容は関係なく、休暇を与えなければならないのです。
ですので、「真っ当な理由がない限り、休暇をあげません」と言う上司や経営者は、法律違反していることになります。
実際にあった裁判例でも、「有給休暇の利用目的は労働基準法の関知しないところであり、休暇をどのように利用するかは、使用者の干渉を許さない労働者の自由である」という判決が最高裁で下されています。
(参考サイト:有給休暇の付与【白石営林署事件】-なるほど労働基準法 林野庁白石営林署事件 最高裁判所昭和48年3月2日判決)
以上のことから、有給休暇が欲しい時は「いついつ休みます」と届け出るだけでよいのです。休む理由が何であったとしても会社は、有休を与えなければなりません。
続いて、③の会社にあるのは時季変更権のみというお話をします。
会社は例外的に、「事業の正常な運営を妨げる場合」においてのみ、従業員の有給取得の時季を変更できる権利があります。つまり、有休取得日を別の日にずらすように指示できます。
ではここでいう「事業の正常な運営を妨げる場合」というのはどんな場合でしょうか。次のようなケースが該当します。
- その労働者にしかできない業務があり、期日が迫っている
- 繁忙期や決算期のため、その時期に有給休暇を取られると業務に多大な支障が出る
- 多数の従業員から、同じ日を希望して有給休暇の申請がなされた
参考サイト:労働問題弁護士ナビ、ワーク・ルール(大阪職安事件で検索)、サイキョウ社労士(弘前電報電話局事件)
以上に該当しない場合、会社は時季変更権を行使できません。「この日はダメだから、他の日に有休をとってくれ」と言えないのです。
上司の中には、「うちは一年中繁茂期だからね」とか「常に人手不足だから休まれると困る」と言う人がいますが、そのような理由で従業員の有休取得の時季を遅らせることは認められていません。
そんなことを言い出したら、だれも有休を消化できませんよね。これは有給取得の妨害行為にあたり、先ほど示した39条に違反しています。
以上。ここまでを簡単にまとめます。会社には有休取得を拒否する権限はありません。あるのは時季変更権のみです。従業員が希望した日にちが会社側にとってどうしても難しい場合に限り、従業員に取得日をずらしてもらうことができます。
2.有給休暇取得で使える理由
ここまで僕は、有給取得において理由はなんでもいいというお話をしてきました。休む理由がなんであれ、会社は従業員が有休を請求したら与えなければなりません。そのように法律で決まっているからです。
とは言ったものの、実際問題として、上司や経営者に「有休取得は労働者の権利だ!」と言える人なんていないと思います。
有休が取りづらい空気の中、うまい口実をつけて休んでいる人が大半ではないでしょうか。そこで、このコーナーでは、みんながどんな理由で休みをとっているのかをまとめました。
〜無難編〜
①私用のため
もっともオーソドックスなのがこの理由です。私用とは、個人的な用事という意味があります。これで通らないのであれば、かなり意地悪な会社です。他の理由を選びましょう。
②体調不良
頭痛がひどい、腹痛が続く、腰痛で動けない。このあたりを症状を選ぶのがいいかと思います。発熱や下痢、嘔吐、咳といった症状は、新型コロナウイルスの症状と重なり、会社から自宅待機命令が下される可能性があります。医療機関を受診したり、検査結果を会社に伝えたりしないといけなくなるので、避けたほうがいいでしょう。
③家族の体調不良
家族と一緒に住んでいる場合は、家族の体調不良を理由にするのもありです。たとえば、妻も子供も両方具合が悪いので、自分が家族を病院に連れていかないといけない、面倒を見なければならないと伝えることができます。
④家族の行事
家族の誕生日や、結婚記念日などで休みたいと申し出る方法です。「日をずらせ」と言われればそれまでですが、当日だからこそムードがあって盛り上がるものです。そのあたりの理解がある上司なら、使える理由になると思います。記念日に限らず、兄弟の引越しの手伝いで休みを取るというのもいいでしょう。
⑤旅行
旅行で休みたいときのポイントは、なるべく早めに申請をだしておくことです。
何ヶ月も前から申請しておけば、そこまで嫌な顔をされないはずです。学生時代の親友との旅行でこれを逃すと数年会えなくなるとか、年に1回の家族旅行という設定にしてしまえば、上司も断りにくいでしょう。
⑥リフレッシュ
先ほどの旅行もそうですが、どこかに美味しいものを食べにいきたい、コンサートを見に行きたい、ディズニーランドにいきたい、1日中家に閉じこもってゲームをやりたいというときは、「リフレッシュのため」と一言で表現できます。
心身の疲労を回復させるために有休は使うことは悪いことではありません。むしろリフレッシュのために有休は付与されるものであると厚労省が見解をだしているのでご安心してください。
年次有給休暇とは、一定期間勤続した労働者に対して、心身の疲労を回復しゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことで、「有給」で休むことができる、すなわち取得しても賃金が減額されない休暇のことです。
年次有給休暇とはどのような制度ですか。
⑦親孝行
遠方にいる両親が実家から来るので親孝行したいというのもいいと思います。親を大切にしたいという気持ちを無碍にするひとはそうそういないはずです。特に子供がいる年配者には分かってもらいやすい理由になるでしょう。
以上7点。有給休暇の取得理由としてよく使われる無難な口実でした。いかがでしょうか?使えそうなものはありましたか?もし、「この7点ではうちの上司は納得しそうにない」という場合は、次に紹介する理由も検討してみてください。
〜奥の手編〜
①トイレ、電気、水道、ガスの不具合
トイレ、電気、水道、ガスの不具合による修理工事の立ち会いで休みを取る方法です。ライフラインの停止は、一刻も早く修理しないと生活に支障がでるため、理解してもらいやすい理由となります。
②友人の結婚式
仕事の関係で平日にしか結婚式をあげられないという人もいるので使える理由です。ただし今はコロナでほとんどの人が結婚式を延期にしているので、使いにくいです。
③お見舞い
離れて住む祖母や祖父が危篤状態になったという設定です。なるべく身内の不幸を理由にはしたくありませんが、ほかの理由がどうしても浮かばないという場合に使えます。病名や病状などは事前に詳しく調べておいたほうがいいです。突っ込まれたときのために。
以上3点です。ただ、意地悪な職場では証明書をみせろという事があるので、予めその辺りは下調べしておきましょう。最後に使わないほうがいい理由もまとめておきます。
〜使うと怪しまれる理由一覧〜
- お葬式
- 法事
- 車検
- パスポートや免許証の更新
- 人間ドック、健康診断
- 子供の学校行事
- 役所での行政申請
- マンションの設備点検
- 町内会の役割
などなど。土日でも都合がつきそうな行事や、調べられたら簡単にバレるものは理由に選ばない方が身のためです。あとあと余計にしんどい思いをしてしまいます。
3.有給申請時に嘘の理由を言ってもいい?
今更ですが、お答えします。嘘の理由を伝えると、それがバレた時に懲戒処分の対象になる可能性があります。就業規則の中に「各種届出等で虚偽の申告を行わないこと」などと記載がある場合は要注意です。
ですので、一番いいのは、先ほど紹介した無難編のなかから休暇の理由を正直に選ぶことです。そして、なるべく早い段階で前もって申請を出しておくことです。早ければ早いほど、心理的に相手も拒否しにくいです。リフレッシュや親孝行などの理由で休む場合は1ヶ月以上まえに申請しておくといいでしょう。
4.有休を拒否されたときの対処法
有休申請を拒否されたら、なぜダメなのか?そして、いつなら取得可能なのかを聞きましょう。その答えに違法性をかんじたら、念のため録音しておき、社内のコンプライアンス部や労働組合などに相談することをおすすめします。
余談ですが、ぼくは昔、上司から「やることやったなら有休使ってもいいよ」と申請のたびに言われていました。これは暗に、上司が要求するストレッチ目標をクリアできたらね。という意味を含んでいます。
簡単に言うと、「目標達成しないと有給やらないよ」ということです。
今思うと、この発言には、違法性がありますよね。労働者の権利である有給に、上司が勝手に条件をつけてはいけないんです。
話を一旦もどして、一人で信頼できる部署に掛け合うのが心許ないと言う場合は、同じように有給がもらえずに悩んでいる人と共闘することをおすすめします。
他の人はどういう理由で有休を拒否されたのか?またどんな嫌味をいわれたのか?裏をとっておきます。複数人の証言を得ることで、会社が改善に向けて動いてくれる可能性が上がるからです。
相談できる部署がない場合は、思い切って労働基準監督署に電話してもいいでしょう。労基署に相談し違反が認められれば、会社への立ち入り調査や、改善するように指導もしてくれます。
5.まとめ
はじめに、必ず知っておいてほしい有休の基礎知識として3つのポイントをご紹介しました。
- 有休取得は願い出るものではなく、届け出るもの
- 会社には有給取得を拒否することはおろか許可する権限すらない(法律上、請求されたら必ず与えなければなりません)
- 会社にあるのは時季変更権のみ
大原則として会社は従業員が請求する日にちに有給休暇を与えなければなりません。また、よほどの理由がない限り、その日にちを別の日にずらすことも許されません。
しかしながら、そういった認識がない上司や経営者はいまだに多く、従業員側が彼らの顔色を伺いながら腰を低くして有給休暇取得のお伺いをたてているのが現状です。
そこで、この動画では、有給取得に使えそうな口実をいくつかご紹介しました。
〜無難編〜
- 私用
- 体調不良
- 家族の体調不良
- 家族の行事
- 旅行
- リフレッシュ
- 親孝行
〜奥の手編〜
- トイレ、電気、水道、ガスの不具合による修理工事の立ち会い
- 友人の結婚式
- お見舞い
などなど。ポイントはなるべく早めに申請をだすことです。体調不良などは難しいですが、それ以外の理由は早ければ早いほど渋られません。
最後に、有休を拒否されたときの対処法です。
有休申請を拒否されたら、なぜダメなのか?そして、いつなら取得可能なのかを聞きましょう。その答えが適切でない場合は、社内のコンプライアンス部や労働組合などに相談することをおすすめします。
違法行為を早めに正す。これはゆくゆく会社のためになることなので恥じることはありません。勇気を出して行動するのもありだと思います。
応援していますね。それではまた!
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