どうも!パワハラ対策部の菊之進です。
メーカー、金融、政治、医療からスポーツ界まで至る所に潜むパワハラ。
僕自身も入社2年目まで壮絶なパワハラにあっていたので、断じて許せない。
パワハラによる言葉の暴力の事例と、パワハラ被害の対策について紹介する。
本記事で、以下の疑問を解決できる
- どんな言葉がパワハラになるの?
- 自分が受けている言葉の暴力はパワハラなの?
- パワハラにならない場合はどんな時?
- パワハラって記録しないといけないの?
- 先輩のパワハラを上司に相談したのに、取り合ってもらえなかった
- 上司のパワハラを密告したい、訴えたい
- 会社を辞めたいけれど、逃げる勇気もない
- 証拠の押さえ方を知りたい
1.言われて傷つくパワハラ「言葉の暴力」の一覧
はじめに、パワハラと呼べる言葉の暴力の数々を紹介する。
全てパワハラ被害を受けた被害者たちの実例となっているよ。
もし、あなたがニュアンスの近い言葉の暴力を受けているなら高確率でパワハラを疑った方が良い。
「まずは自分が馬鹿だと思うことから始めろ」
「先輩を見習え、お前このままだとヤバいぞ」
「お前が女だからこの程度で済ましてるが、もしお前が男だったら容赦ない」
「窓際族って知ってるか?窓際に追いやられて、わざと仕事与えられなくなって、嫌でも辞めざるを得なくなるんだよ。お前このままだと窓際族になるぞ」
「ここにはお前と関わりたくない奴がウジャウジャいるぞ」
「お前の不用意な発言で、どれだけの人間がイラついてると思ってる」
「俺もお手上げだ。お前みたいな人種は初めてだから俺もどうしたらいいのかわからない」
「お前のせいで俺が困ってるってお前の両親と話がしたい。世間知らずのお前の父親と」
「大人になってもそんなもん正しく書けないのか小学生からやり直せ」
「お前のせいでウチは赤字だ」
「才能も素質もないね」
「殺すぞ」
「お前の家族皆殺しにしてやる」
「数字ができないならビルから飛び降りろ」
「本当に可哀想」
「気持ち悪い」
「生きてても仕方ないから死ねば?」
「眼鏡割るぞ」
「他の人だったら殴られてるよ」
「おい、お前」
「クソが」
「お前は疫病神」
「お前は仕事が出来ない、覚えが悪い」
「休みの日も仕事覚えに来い」
「デブ、ブス」
「お前うざいから顔面殴っていい?」
「おい、ババァ」
「仕事が遅い、存在感がない」
「言葉遣いに気をつけろ」
「会社から消えろ、俺の目の前から去れ、いままで貴様にかかった金すべて親兄弟にまで請求してやる」
「幼稚園からやり直せ」
「お前は社会に適応しない」
「お前の顔なんて見たくもない」
「子供の病をダシに使っている、もう来なくていい」
「クビにするぞ!」
「嫁さんと子供が路頭に迷うぞ!」
「たあけか!」「あほちゃうか!」
「お前は退職しろ」
「要らん人間やから」
「必要ない人間やから」
「なんでこの会社にずっとおるん」
「親の頭がおかしいんや、親が糞なんや」
「お前は一人でコンビニの飯を食え」
「二度と顔を見せるな」
「どっかへ消えろ」
「くだらない質問はするな!」
「なんでわからないんだ」
「口答えするな」
「言われたことだけをやれ」
「余計な事するな」
「こんな漢字もよめないのか」
「あなた頭大丈夫?」
「匂いがすごいから毎日ちゃんと風呂に入ってるのか?服は毎日洗濯しているのか?」
「カス、ボケ、バカ、邪魔」
「この成績は何だ」
「会社を辞めれば済むと思っているんじゃないか」
「身の振り方を考えろ」
「あんたは係長以下だ」
「結婚は三角、出産はバツ」
「この仕事を○日までに終わらせないとお前をプロジェクトから外すぞ」
「だからお前は使えないんだよ!」
「給料泥棒はこれだから困るな~」
「有給使ってどこに行くの?誰と行くの?」
「付き合っている彼氏(彼女)はいるの?どんな人?」
「何をやらしてもアカン」
「奥さんから内緒で電話があり『主人の相談に乗って欲しい』と言われたぞ」
「無能」
「俺の酒は飲めないのか?酒は吐けば飲めるんだ」
「覚えが悪い」
「上司より立派なマンションに住むとは何事だ、もっと安いところに住まないと地方に異動させるぞ」
「お前を3月に辞めさせて後釜を探さないといかん」
「救いようがない」
「幹部はお前のことを使えないと思っている」
「ボクちゃん」
「全然悪いと思っていないだろ?」
「生きているだけで迷惑」
「殺すと問題があるので、交通事故にあって死んでほしい」
なんだか書いてて、辛くなってきた。。パワハラする側はどんな神経してるんだろう。
次に、社会問題となった「武富士」元社員のパワハラ被害の音声(録音)を紹介しよう。
上司の部下に対するエゲツない恫喝…。
結果、このテープが世間一般に知れ渡り、悪名高いイメージがついてこの会社は倒産した。
(*不快なので聞かないほうが良いかもしれない↓)
▶︎YouTube:02年 武富士裁判「武富士の過酷なノルマと鬼上司」
職場の立場を利用した言葉の暴力は、絶対に許されるべきじゃないね(怒)
2.職場におけるパワーハラスメントの定義とは
厚労省が発表した「職場のパワーハラスメントに該当する6つの行為(典型例)」を動画で分かりやすくまとめたよ↓↓
▶︎YouTube:パワハラの定義とは!?パワハラ認定される6つの基準と具体例
▶︎記事:パワハラの定義とは?6つの種類と具体的なパワハラ行為
3.言葉の暴力はパワハラになるの?
言葉の暴力はパワハラに“なる場合”と“ならない場合”がある。
初めにパワハラになる場合を見てみよう。
まずは、厚労省の定めるパワハラの定義を再確認してみる。
職場のパワーハラスメントとは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義をしました。
この定義は分かりにくいので、もうちょっと簡単に。
つまり、「指導」以上の言葉の暴力があった場合にそれはパワハラとなるのだ。
では指導の一貫を超えた言葉とは、どの様な言葉なのか。
以下にその特徴を紹介する(参考:厚労省の定めたパワハラの典型6タイプより)指導の一貫を超えた言葉の特徴
脅迫:「成績が悪かったら罰としてみんなに奢ること」、「クビにしてやる」
名誉毀損:「給料泥棒が」、「このアホが」
侮辱:大勢の前でバカにして辱めること「こんなことも分からないなんて、小学生からやり直せば?」
ひどい暴言:「ぶっ殺すぞ」、「死ねっボケ!」
隔離:「明日から仕事来なくていいよ」、「君はもう必要ないから」
仲間外し:他の社員が参加する恒例の行事に参加させない
無視:話しかけても無視される
過大な要求:業務上明らかに不要なことや、遂行不可能なことの強制、異常なノルマなど
過小な要求:「もうお前は仕事するな」といって放置される
個の侵害:「明日の休日は誰とどこに行くの?」
その他:過去の過ちを執拗なまでに蒸し返し責め立てた場合はパワハラ(嫌がらせ)とみなされる
「適切な注意、指示、指導」の一線を期し、対象者に悪意を放った時点でパワハラと言える。
反対に、パワハラにならない場合はどんなケースだろう。
対象者の業務に関して適正な範囲で指導がなされた場合は、パワハラとならない。
以下に例を示す。
遅刻したことに対して注意を受けた。
危険な行為をおこなって注意を受けた。
人前でなく1:1で叱られた。
職場のルールを守らず叱られた。
任した仕事をやらなかったので叱られた。
資料の締め切りを守らなかったので叱られた。
適切な業務のため、対象者に好意を持ってなされた叱責はパワハラとは言い難い。
受けたパワハラ行為が法的に違法かどうかの判断をする場合。
様々な観点からパワハラ行為があったことを立証しなければならない。
ここで参考になるのが、人事院作成の「パワー・ハラスメント防止ハンドブック」。
先にも述べた「パワハラと指導の違い」について様々な観点で分かりやすく紹介されている。
パワハラと指導の違い 出典:パワー・ハラスメント防止ハンドブック – 人事院
パワハラ行為を立証するためには、指導を超えたパワハラ行為の証拠が必要だ。以下の場面に遭遇した際は、必ず証拠を取っておこう。
- あなたを馬鹿にした、批判した、排除した
- 脅迫を受けた、名誉を傷つけられた
- 限界を超えた仕事をやらせた、あるいは仕事をやらせなかった
- あなたが鬱などの病気になった
- 攻撃を受けた他の職員は鬱になったり退職した
証拠集めの方法については後述するパワハラの証拠を揃えるで紹介しているよ。
4.実刑判決が出た「パワハラ裁判・言葉の暴力」事例5選
パワハラであるかどうかは、被害状況と加害者の言動全てが判断基準になる。
以下に、損害賠償請求事件として実刑判決の出た裁判例を5つ紹介するよ。
よくあるパワハラ事例に加えて、上司2名からのダブルパワハラ(事例5)やセクハラ×パワハラ(事例4)など、実際に起こりやすいを取り上げた。
参考にしてみてね。
パワハラの言葉
「これはボイコットをしているのと一緒 」,「次 やったら終了」,「帰れ!」,「こっちの声聞こえてる?こっちは返答待ってるんやけど無視してるの?」
賠償金:6125万1000円
平成30年6月28日 大阪地方裁判所
事案の概要
理学療法士養成施設の実習指導担当者Fが、実習生A(被害者)に対し,精神障害や過労等の心身の不調をもたらすような過度の疲労や心理的負荷を与えないように十分配慮する義務があったにもかかわらず,これに違反しAに対し,指導の域を超えたパワハラ行為をした。具体的なパワハラ行為は,以下のとおりである。
- Aの仕事を自ら中断させておいて「ボイコットした」と暴言を吐いた
- その後もAに対して暴言を吐き、人間関係の切り離しを行った
- Aの業務をチェックするアドバイザーとしての業務を怠った
結果、Aは自殺した。
パワハラの言葉
「おまえの席はない」,「支店長もおまえはガンだと言っていたぞ」,「おまえみたいなガンウィルスがいると会社の雰囲気が悪くなるし,みんなにうつるから直行直帰で仕事をするように」「会社にいる必要はない。辞めて欲しい」,「お前、キモイねん」
賠償金:167万5273円
平成29年12月5日 名古屋地方裁判所
事案の概要
本件は,被告会社の従業員であった原告(被害者)が,被告会社において上司であった被告Yからパワーハラスメント行為を受け,うつ病となり,退職を余儀なくされた。具体的なパワハラ行為は以下の通り。
- 人格や人間性を否定するような暴言を吐いた
- 達成困難なノルマを課した
- 人間関係の切り崩し、仲間外れを行った
結果、原告は手足のしびれや記憶障害、うつ病を発症した。
パワハラの言葉
「てめえ」,「あんた、同じミスばかりして」,「何度言ったらわかるの」,「埃がとれていないから,PCが壊れるだろ! やり直せ!」,「男に色目を使って」
賠償金:3190万3783円(被害者は自殺)
平成29年11月30日 名古屋地方裁判所
事案の概要
本件は,会社従業員E(被害者)が,指導を行うべき立場にあったAより,長期間にわたり,いじめ・パワーハラスメントを繰り返し受けて,うつ状態に陥り,自殺するに至った事案である。具体的なパワハラ行為は以下の通り。
- 同じ注意・叱責を長期間にわたり、何回も繰り返し行った
結果、Eは強い心理的負荷を受けてうつ状態に陥り、自殺した。
パワハラ、セクハラの言葉
「猫背だよ。もっとその豊満な胸を前に突き出して歩いた方がいい」,「やること(性行為)をやっていれば大丈夫だろう」,「ほんとに甲斐性がないよな」,「小さい頭で考えろ」,「これも洗って」と原告に自分の歯間ブラシを洗わせた
賠償金:71万7630円
平成29年9月22日 東京地方裁判所
事案の概要
本件は,学校の非常勤事務職員であった原告(被害者)が,本件学校の事務職員である同僚の被告Bから,原告の胸の大きさを話題するなどのセクシャルハラスメントを受け,また,歯間ブラシを洗わされたりするなどのパワーハラスメントを受けた事案。具体的なパワハラ行為は,以下のとおりである。
- 右胸を下から上に撫でるように触った
- その後も暴言を繰り返し行った
- 問題を把握しながら学校長は適切な対処をしなかった
結果、原告は適応障害(動悸,倦怠感などに伴う)と診断された。
パワハラの言葉
「なんで嘘をつく」,「辞めればいい,死んでしまえばいい,もう直らないならこの世から消えてしまえ」,「いつまで新人気分?」「サギと同じ」,「3万円を泥棒したのと同じ」,「耳が遠いんじゃないか?」,「自分をよく見せようとしている」,「反省しているフリをしているだけ」,「今日使ったムダな時間を返してくれ」
賠償金:7261万2557円
平成26年11月28日 福井地方裁判所
事案の概要
消防設備の設計施工保守点検等を業とする会社に勤務する新入社員(原告の息子:被害者)に対し,上司である被告b及び被告cはパワーハラスメント,加重な心理的負担を強いる業務体制等を行った。具体的なパワハラ行為は,以下のとおりである。
- 人格否定をする暴言を執拗に繰り返した
- 暴力を振るった
- 恒常的な長時間労働を強いられた
- 過酷なノルマを課した
- プロの麻雀師の書籍を読む様に命じた
- 六波羅蜜等特定の宗教観を押しつけた
結果、原告の息子はうつ病を発症後、自殺した。
もっと色々な事例をみてみたい場合は、裁判所ホームページの裁判例情報から確認できるよ。
5.パワハラで言葉の暴力を受けた時の対策9選
以下にパワハラを受けた時の対策として、どんなことが出来るか紹介する。
知ってるだけであなたの立場がとても有利になるので、是非読んで見てね。
①パワハラの証拠を揃える
相手のパワハラ行為の証拠を残しておこう。
ボイスレコーダーで問題となる音声を録音し、ノートに言われた言葉と状況を記録する。
ノートに残すときは、日時、会話の相手、会話を聞いていた第三者の名前まで正確に。
5W1H「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「なぜ」「どのように」を意識してね。
業務日報もコピーして自分用に保管しておこう。
また、暴力の跡やストレス症状があれば、医師に診断書を書いてもらうこと。
その他、勤務時間が記されたタイムカードや第3者の証言も証拠になる。
社内メールやSNSのやりとり、写真なども使えるものは全て使って証拠として保管する。
これらは後にあなたの命綱になる。
パワハラ対策に人気のボイスレコーダー
◎ ペン型レコーダーの特徴
- 胸に挿して使えるので録音してることがバレない
- 親指ワンタッチで録音開始
- 親指ツータッチで録音保存
- 高音質(音声しっかり拾う)
- 192時間分の録音が可能
②医者に診てもらう
パワハラを受けたことによって、以下の様な症状が出たらすぐに精神科を受診しよう。
- 動悸
- 不眠
- 手足の震え
- 腹痛
- 頭痛
- 食欲不振
- 嘔吐
- 体重減少
- 無気力
うつ度チェック 簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)で6点以上あった場合は、うつ病の可能性あり。
上記の様な精神的な症状であれば精神科医に。
暴力行為を受けて負傷した場合は、外科か内科を受診する。
大事なことは、受診した際に医師へ診断書の作成をお願いすること。
医師からは、目的を聞かれると思うので、包み隠さずしっかり理由を伝えること。
診断書の作成費用の相場は2,000円〜3,000円。
③警察に相談する
警察は民事に介入しないが、刑法に違反する事件は動いてくれる。
刑法204条「傷害罪」と刑法230条の「名誉毀損罪」はパワハラに関係する刑法なので利用できるよ。
第204条
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第230条
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
ただし、いずれも証拠が必要だ。
暴力を受けた証拠(医師の診断書)、第3者の証言、ボイスレコーダーの録音など準備しておき、被害届を出そう。
④社内の相談部門に相談する
世間に名の通った大手企業であれば、社内の相談窓口を使うことをオススメする。
人事部やコンプライアンス部に相談窓口がある筈なので確認してみよう。
パワハラの事実が確認されれば、加害人物は懲罰委員会にかけられ降格や部署移動などの処分が下される。
ちなみに僕の友人は入社2年目のときに、この方法でパワハラ上司を撃退した。
一方で、中小企業や零細企業では、相談窓口はあっても実態のない表向きだけのところ(リスクマネジメントと称して形だけ置いてること)が多い。
被害者の話は聞くが、加害者には口頭注意のみで済まされることも。
酷いところでは、注意どころか揉み消されて、より一層パワハラがエスカレートすることもある。
そんな予感のする会社は、社内ではなく、社外に相談した方がいいかもしれない。
会社の社長がパワハラ気質だとか、上司の上司も人を見下す性分があるとか、退職者が多い職場の場合は要注意。
⑤外部機関に相談する
社内の窓口が信用置けない場合は、第三者期間である社外の窓口を有効活用しよう。外部機関といえど、優しく親切なので心強い味方だ。
心の耳 : 心の悩みを電話やメールで相談できる、心のケアをしてもらえる(無料)
厚労省の総合労働相談コーナー : 解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、パワハラなどの職場のトラブルに関する相談と解決のためのアドバイスがもらえる(無料)
NPO法人 労働相談センター : パワハラ含む職場の問題を、職場の仲間と労働組合を作って、労働組合に加入して、闘って解決する方法で相談に乗ってもらえる(無料)
みんなの人権110番 : パワーハラスメント含む様々な人権問題についての相談を受ける電話口。人権が侵害された疑いのある事案について救済手続を開始してもらえる(人権侵害を行った会社に改善のメスを入れるなど)(無料)
法テラス : 職場のいじめ、パワハラに対して損害賠償請求ができる弁護士を紹介してくれる(紹介料は無料)
労災無料相談センター : 労災保険から支給される給付金と会社に請求出来る賠償金の両方の相談ができる。相談料・着手金・調査料は0円で相手側からお金が支払われ初めて費用が発生する完全成功報酬型の弁護士事務所。
⑥休職中なら労災認定を受ける
パワハラの被害を受けて「精神障害」を負った場合に「労災」の認定が受けられるよ。
労災認定がおりると、パワハラが原因で発症したうつ病などの治療費や、休職中の賃金も補償される。
ただし、労災認定には3つの条件がある。
- 精神障害を発症していること
- 認定基準の対象となる精神障害の発病前おおむね6か月の間に、 業務による強い心理的負荷が認められること
- 業務以外の心理的負担や個体側要因により発病したとは認められないこと
まず、①の精神障害は「うつ病」や「急性ストレス反応」のことを示しているよ。
急性ストレス反応とは?
生命を脅かすような恐ろしい出来事を体験した後、不安、過敏、緊張、落ち着きのなさ、イライラ、集中力の低下などの精神症状や、動悸、呼吸困難、めまい、首や肩のこり、震え、不眠などの身体症状が現れる一過性の障害です。
次に②の強い心理的負荷の要件について。
「業務による心理的負荷評価表(P5-9)」で「強」と評価された場合に満たされる。
「強」になるのは極めて稀なケースだけれど「中」が2つ以上ある場合も「強」とみなされることがある。
例えば、上司からのパワハラを受けて「中」、達成困難なノルマも受け「中」、達成できなかった場合にペナルティー「中」も受けた。
更に月80時間以上の長時間労働「中」も強いられたとなると「強」になる可能性が高い。
詳しくは、厚労省の精神障害の認定マニュアルの3Pが参考になる。
最後に③に示す業務以外の心的負担については、慎重に検討される。
例えば、妻(夫)と離婚したとか、重い病気や怪我をしたとか、多額の財産を失った、天地天災に巻き込まれたという場合は、それらが発病の原因になったかもと慎重に判断される。
詳しくは、「業務以外の心理的負荷評価表 P10」を参考に。
労災申請の手順は、以下の通り。
⑴ 労働基準監督署で申請書をもらう。WEB上でダウンロードも可。
⑵ 病院で診断書をもらう(医師に労働災害であることを伝えること)
⑶ 労働基準監督署に書類を提出する。
まずは、厚労省の労災保険相談相談ダイヤルに気軽に電話しよう。
労災保険の請求方法について教えてくれるよ。(無料)
⑦退職を切り出す
時には逃げることも大事。それも勇気。
あなたを苦しめた酷い会社で一生働く義理はないよ。
僕も入社してからの2年間、壮絶なパワハラを受けてノイローゼになった。
早く辞めればよかったんだけれど、症状が悪くなるまで耐え続けて・・
食事の味を感じなくなったり、会社にいく時も足が勝手に震えたり、夜も全然眠れなくなった。
ただ僕の場合はラッキーで、会社を辞める寸前でパワハラ上司が異動になって助かったけれど、同じ職場の同僚2名は鬱になってしまった。(うち1人は入院)
5年以上経った今でも、当時の悪夢で目が覚めることがあって、心の傷は深いんだなと実感してる。
あの時早く退職しておけばよかったなと後悔。。
と言っても、退職を切り出すことすら、当時の僕には怖くて出来なかっただろうけどね。
もし僕と同じように、退職したいのになかなか切り出せなかったり、退職の意を伝えたけれど上司が辞めさせてくれないって場合は、退職代行サービスが有効だよ。
退職代行サービスを利用するメリットは以下3点。
- 自分から退職の旨を伝える必要がない(代行会社があなたの代わりに連絡)
- 即日、退職できる(今日、明日にも会社を辞められる)
- パワハラ上司の顔を一切見ることなく、職場に行くことすらなく辞められる
代行会社は、SARABA退職代行がおすすめ。
SARABAの担当者さんとは直接やりとりをしたこともあり信用できると思ったから。必ずあなたの助けになってくれる。
24時間年中無休で、LINE相談、電話相談、メール相談、すべて無料で受けられるので、まずは気軽に相談してみてね。(全国どの地域でも対応可)
サービスを使うかどうかは無料相談の後に考えよう!
⑧転職する
社内、社外にも相談した結果。
良い解決策に巡り会えなかった場合、転職しよう。
もっとあなたに合った仕事や職場があると思うから。
これを機に第二の人生を模索するのも手。
◎現職に留まるべきか、転職するべきか決められない時
転職の決断で悩むあなたに迷いをスッキリ晴らす7つの方法
◎転職の際に、ブラック企業を事前に見極める方法
ブラック企業を入社前に見極める方法8選
◎次は絶対に後悔しない!ホワイト企業を見つける方法
ホワイト企業の賢い見つけ方8選!正しい会社の選び方とは?
◎初めての転職!大まかな転職活動の流れと目安を知りたい
転職活動の流れと進め方!準備から内定獲得と退職まで
⑨弁護士に相談する
パワハラを受けて、鬱になり仕事ができなくなってしまった・・
本来得るはずだったお金を取り戻したい。慰謝料を請求したい。
そんな場合は、弁護士に相談しよう。
裁判の起こすための時間、労力、費用とあなたの気持ちを天秤にかけて、戦うかどうか決意しよう。
先に紹介した法テラスでは、パワハラの相談にのってくれる弁護士を無料で斡旋してくれる。
以下のサイトで代表的なパワハラ裁判の例を見ることができるのでご参考に。
裁判例を見てみよう|あかるい職場応援団 -職場のパワーハラスメント
パワハラの慰謝料の相場は、おおよそ50万〜100万、相手が悪質なほど高く請求できる。
弁護士費用の相場は、報奨金(獲得した慰謝料の約16%)+着手金(訴訟額の約8%)+その他(相談料、交通費、書類作成費など)
具体的にいくらとまでは言えないけれど、獲得できた慰謝料の30〜50%くらいは見ておいたほうがいいかもしれない。
6.言葉の暴力・パワハラ対策に役立つオススメの本
身近にいる「やっかいな人」から身を守る方法
米国ナンバー1の精神科医によるメンタルヘルス本。
上司や先輩、親戚や友人など厄介な人から身を守る方法・術を学ぶことができる。
彼らが理不尽な行動をする背景を知った上で、それぞれにあった対応の仕方が具体例を用いて説明されている。
厄介な人との正しい向き合い方を知り、人生をもっと楽に生きたい人にオススメ。
ブラック企業から身を守る! 会社員のための「使える」労働法
パワハラ・セクハラ、サービス残業を断じて許さない、ブラック企業対策プロジェクト共同代表である今野氏の著書。(僕も良く参考にしている人で、めちゃくちゃ労働者の味方)
- パワハラ・セクハラを撃退するシンプルな方法
- 会社を辞めずに休職するメリットとは
- 手当・補償・給付の活用術、損しないために
- ブラック企業でも可能!労働法で給料UP!
- 非正社員が正社員になる方法
- 円満退社の必要はない
バカ上司の取扱説明書
こんなバカ上司は、もうコリゴリだ!
- キレやすい
- 話を聞かない
- 仕事の邪魔をする
- 指示がコロコロと変わる
- 重箱の隅をつつく
平社員から役員まで経験した、人気のコンサルタントが教える「どんなバカ上司にも困らなくなる秘策」がこの1冊に集約!
セクハラ・パワハラは解決できる! ~民事調停という選択肢~
民事調停などと聞くと、それだけで難しく、高い敷居を感じるが全くそんなことはない。
民事調停とは:裁判のように勝ち負けを決めず、話合いによりお互いが合意することで紛争解決を目指す手続きのこと
本書は、会社の上司からセクハラやパワハラを受けて悩んでいる女性社員を主人公としたストーリー仕立てで、弁護士との相談から、民事調停の進み方、問題の解決までを分かりやすく解説してくれる。
上司から受けたパワハラ・セクハラで、泣き寝入りしたくない人におすすめ。
パワハラ 不当解雇 尊厳を回復し、解雇を高くつかせる闘い方
雇用者が挙げる解雇理由は、ないことないことのウソ八百、いかに無能で低劣人間かを並べ立てる。
それは、パワハラにも増して解雇された者の人格と誠実に働いてきた人生を傷付け、尊厳をズタズタにし、トラウマに陥らせることも少なくない。
このような不当解雇を撤回させて労働者の尊厳を回復する方法を、実例をもとに紹介する。
7.パワハラで傷付いたあなたに贈る言葉
なぜパワハラ野郎は、言葉で人を傷つけるのか?
今の時代、流石に暴力はマズイ。そうなると使えるものはただ一つ。言葉の暴力だ。
では何故、言葉の暴力に走ってしまうのか?
パワハラ野郎は、劣等感の塊だからである。
自分のリーダーシップ能力に劣等感を感じているのだ。
どういうことかと言うと。
パワハラ野郎は「部下とは上司に対してこうあるべき」という理想郷を持っている。
だけど現実は虚しい。
自分よりも知識経験が圧倒的に少ない部下に、理想通りの仕事なんて出来るわけがない。
だからこう思う。
「もっと本気で敬えよ、もっと本気で仕事しろよ」って。
現実の部下が、自分の理想通りにならずモヤモヤした状況。
これがパワハラ野郎の劣等感だ。
「自分は上司なのに、周りがついてこない。支持した仕事もできない」
でも、自分は上司として劣ってるなんて認めたくない。
そこで、パワハラをやっちゃうのだ。
指導の仕方が分からないパワハラ野郎は、一番簡単な方法に頼ってしまう。
感情で怒り、部下に厳しく叱責する、ネチネチ、ネチネチ責め立てるという方法だ。
するとどうなるか。
部下の存在価値を下げた分、自分の価値が上がったように感じる。
こうして優越感に浸りながら、劣等感を和らげる。
ちなみにこの行為はアドラー心理学で「価値低減傾向」と定義されている。
相手の価値を低減することで、自分の価値を相対的にあげる方法だ。
以上がパワハラ上司の心境だろう。
リーダーとしての素質がないのに、リーダーぶっているかわいそうな人。。
役職だけの名ばかりリーダーで、部下の将来をダメにするチグハグ人間なのだ。
パワハラを受けたあなたは「自分はどんなに無能なのだろう」、「こんな自分はどこに行ってもダメだろう」って思うかもしれない。
でも大丈夫。無能な人間なんていない。
歩き始めたばかりの山登りで、いきなりてっぺんに行けるはずがない。
どんなすごい奴でも、山の麓からじっくりゆっくり歩いてきた。
仕事も一緒。これから少しずつ知識と経験をつけていけば立派な仕事人間になれるよ。
何度も言うけれど「自分なんて居ても意味がない」なんて思い煩う必要はまるでない。
なぜならば。
いる(存在する)だけで部下を不幸にする上司と、いる(存在する)だけで特に必要の無い人。
どっちが大事かって。消去法でいっても間違いなく後者だから。
先にも話したけれど、仕事なんてじっくり時間をかければ必ずできる。
人の役に立つような人間になれるよ。
こんなところでパワハラ野郎に潰されたら・・
自分よりも人間としてのレベルが低い人に負けたら悔しいじゃん。
あなたは正しい、何も悪くない、何も恐れる必要はない。
後悔は一生、勇気は一瞬。
ほんの一瞬の勇気を持って行動すれば、苦しい状況から抜け出すことはできるよ、本当に。
▶︎2018年11月16日更新
2019年ついにパワハラ防止の法制化が始まる!
今より被害が少なくなることを切に祈る。
企業のパワハラ対策がついに法律で義務化される🤣
パワハラを「優越的な関係に基づき、業務の適正な範囲を越えて、身体・精神的苦痛を与えること」などと定義
取り組まない企業は、是正指導や是正勧告などの行政指導を。
従わなければ、企業名を公表する規定も設ける。https://t.co/JaLxpZrprI— 菊之進(きくのしん) (@kikunoshin333) 2018年11月16日
8.まとめ
あなたが受けたひどい言葉で、不快な気持ちにさせられたのなら、それは間違いなくパワハラでしょう。
パワハラは受け初めは意外と耐えられたりするが、長期間受け続けると心に深い傷を負ってしまう。
今この記事を読んでるのなら、きっとあなたは相当の深手を負ってるに違いない。
もう限界点を突破して居る状態なら、すぐに病院に行こう。
一人で悩まずに、社外の相談窓口を有効活用しよう。
僕にメッセージを送ってくれても良いよ。話を聞くことも出来るし、抱え込まないでね!
もし、あなたにまだ心のゆとりがあるのなら、パワハラ野郎の実態を証拠に残しておこう。
あなたが部署移動するにも、パワハラ野郎を他店舗に飛ばすにも証拠が必要になる。
それらを揃えて、来たるべき時に戦おう。
パワハラは絶対に許されるべきじゃない。