どうも菊之進です!結論から言おう。
読書の効果として語彙力や雑談力、コミュニケーション力、読解力、文章力、想像力などを磨き上げることができる。ただし、ただ本を流し読みするだけでは何も得られない。
そこで、本記事は「読書で得られる効果」のみならず、成果を出すための正しい本の読み方についても紹介する。読書のコツをおさえて実りある読書ライフを楽しんで欲しい。
◎こんなあなたにオススメ
- 読書にどんな効果があるの?
- 読書の効果を引き出すコツは?
- 読書の効果は、小説やビジネス書などのジャンルによって異なるの?
- 紙の本にない電子書籍のメリットとは?
- 読書は大人になってから始めても意味がない?
- 読書をはじめるモチベーションが欲しい
1.読書嫌いだった僕が読書の効果を実感した出来事
社会人5年目の話。それまで営業成績ドベだった僕が、初めて支店内で営業成績1位を獲ることができた。自分でも信じがたい成果を収められたのは「営業のノウハウ本」を読みあさったおかげだと思っている。特にお世話になった書籍を上に示すように写真にとってみた。これらの書籍がどの様に営業で役立ったのかを紹介しようと思う。
例えば、左から3番目の本『ビジネスは30秒で話せ!』について。この本は、お客さんの前でプレゼンをする技術を高めてくれる。その中の一節に効果的なプレゼンの「構成」について教えてくれるものがある。
聞き手にインパクトのあるプレゼンは、視覚情報(イラストや写真)が55%、聴覚情報(プレゼンテーターの話し方)が38%、言語情報(文字)が7%で構成されたものだという。
そこで僕は、今まで文字がぎっしりで分かり辛かったプレゼンスライドを、聞き手にとって見やすく分かりやすいものに変えた。その結果、プレゼン時に居眠りする人が減り、熱心に話を聞いてくれる人が増えたのだ。
次に、居眠りの問題を解決した僕は「聞き手にとって魅力的な話し方を身に付けたい」と考えて、声の大きさや話す速度、抑揚の付け方、ジェスチャーはどうしたら良いんだろう?などと疑問を持った。そして、また読書にのめり込み一つずつ疑問を解消しながらアウトプットを繰り返した。
その甲斐あってか、営業成績も上向きになり気づけば支店内で1位を達成していた。ありがたいことに会社からプレゼンスキルの賞をもらい、若手営業マンを対象にレクチャーをして欲しいという依頼も受けた。
正直なところ、始まりはイヤイヤだった読書だが、人生において色々と助けられてきた。読書をして「良いこと知った。自分もやってみよう!」と行動に移してきて正解だった。もし叶うのなら、入社1年目の自分に「読書したほうがいいよ」教えたい。
2.読書によって得られる9つの効果
①語彙力がつく
読書をすると日常会話で使える語彙が増えて、知的で教養のある人に見られるメリットがある。会話の表現力が豊かになり自分の思いを的確に伝えられるようになるためだ。
下の表は、語彙力のある店員さんとそうでない店員さんをイメージして作成してみたのだが、どちらの店員の方が印象が良いかを感じとってほしい。
シチュエーション (主語:私) | 語彙力のある店員 | 語彙力のない店員 |
共感してほしい | ごもっともですね。/おっしゃる通りですね。/いかにもその通りですね。 | なるほど。/そうなんですね。 |
褒められたい | 素敵ですね。/お見事です。感服しました。/感銘を受けました。 | マジですか。/やばいですね。/すごいです。 |
本音を聞いた | 実は正直なところ。/単刀直入に。/率直に。 | ぶっちゃけ |
お願いをした | 喜んでお引き受けいたします。/承知しました。 | はい。/わかりました。/了解しました。 |
質問を受けた | 不勉強で恐れ入りますがご教示ください。/是非、お知恵を拝借したいです。 | すみません。/教えてください。 |
値切った | これ以上は何卒ご容赦ください。 | ちょっと無理ですねー。 |
怒った | 気分を害してしまい心よりお詫び申し上げます。 | すみませんでした。 |
商品の説明を聞いた (かわいい商品) | 愛らしくて親しみがもてる商品です。/愛嬌があってうっとりします。/とても可憐で華やかな感じがします。/〇〇の点が魅力的です。 | この商品可愛くないですか。/これ良くないですか。 |
契約した | 恐れ入りますが、こちらにサインをして頂ければ幸いです。 | すみませんが、ここにサインをお願いします。 |
お礼を言われた | 心より感謝いたします。お礼申し上げます。/誠にありがとうございます。 | ありがとうございます。 |
語彙力のある店員さんの言葉は、深みがあり、丁寧で、仕事ができそうな印象を受ける。正しく美しい日本語が使えるようになると相手からも好印象を持ってもらいやすい。
「語彙を増やそう!」と意識して読書することで、(上の店員さんの様に)相手の心に響く伝え方を身につけることができる。
○語彙力を向上させるために役立つ書籍はこちらで紹介。
語彙をサクサク増やす!語彙力を高める7つのシンプルな方法
○語彙と一緒に「敬語」の使い方も学びたい場合はこちら。
目指せ敬語男子!ビジネス好感度120%今すぐ使える敬語術
②雑談力がつく
本を読んで話のネタ・引き出しを増やしておくと会話のキャッチボールが上手くいく。何かを言いたくても言葉が出てこなかったり、沈黙が続いて気まずい空気になったりしても、とっさに話す内容が思い浮かびプラスαの話ができたりする。例えば、職場の上司との世間話を例に挙げよう。上司から次の様に話を振られたとする。
「アベノミクスで史上最高の賃金上昇率っていうけれど実感湧かないよなぁ。君はどう思う?」
このとき、経済の知識がないと「はい。そうですねぇ…確かにあんまり実感わきませんね」で終わってしまう。しかし、普段から経済に関する読書をしておくと以下の様に話を広げられる。
「確かに一部の大企業は賃上げに成功したかもしれませんが、中小零細は正直厳しいですね。世の中の8割の人は、給料が上がったと実感できていないのが本音だと思います。むしろ給料が上がる前に物価が上がってしまい、実質賃金(物の値段に対する給料の価値)は下がってしまいました。おかげでウチも財布の紐が固くなって小遣い減らされちゃいましたよ(とほほ)。ところで課長は株をされてましたよね。アベノミクスでかなり儲かったのではないですか」
話し相手にとって関心のある話題(この場合、上司の株の話)へと話を深めることができれば、更に会話が盛り上がる。話のネタ探しを意識しながら読書することで雑談も苦にならない。
○雑談力が磨けるオススメの書籍はこちらで紹介。
会話サク咲く「雑談力」を自在に引き出す10のコツ
③コミュニケーション力がつく
友人との会話の中で伝えたいことが上手く言えなかったり、頭がこんがらがって言葉に詰まった経験はないだろうか?人に上手く説明できない会話下手な自分から脱却するのにも読書は効果的だ。
なぜなら多くの本は論理的に(きちんと筋道立てられて)書かれており、そういった文章に沢山触れることで、物事の伝え方や言葉の言い回しを学ぶことができるからだ。
例えば、友人に映画「スパイダーマン」の感想を聞かれた場合。普段から読書している人は、相手にとって魅力的な物の伝え方や伝える順序が思い浮かぶ。一方で読書をせず話す訓練もしていない人は、何をどのように伝えるかの基準がなく支離滅裂な話し方になりがちだ。
以下に「スパイダーマン」を紹介する2つの文章を示すが、どちらが印象に残るだろうか?一方は読書家のAさん作。もう一方は一切読書をしないB君作。それではどうぞ。
①「赤いスーツの蜘蛛男が、恋人のために悪いゴブリンをやっつける話。敵は友達のお父さんで、主人公の彼女が捕まっちゃって大変だった。主人公は高校生でクモに刺されてすごい力を手に入れるのだけど、俺もあんな力欲しいわ。とにかくオススメ。見応えあるよ」
②「主人公はどこにでもいる平凡な高校生。とある社会科見学の最中に遺伝子操作されたスーパースパイダーに噛まれ超人的な力を手に入れることになる。時を同じくして実験で心を病み自ら怪物となって町を恐怖に陥れる科学者が現れた。主人公は、後にこの科学者が親友の父親であり自分とも親しい間柄の人物であることを知る。果たして彼は手に入れたクモの力を正義のために使い世界を救うことができるのだろうか。笑いあり涙あり感動ありの人気映画だ」
正解を発表すると、①はB君作で失礼ながら日本語がぐちゃぐちゃになっていて分かり辛い。②はAさん作で「起・承・転・結」に沿った構成でストーリーのイメージがつきやすい。
普段から読書をしている人は、物語の構成の仕方が頭に叩き込まれているため、人に分かりやすく伝える力がある。
○コミュニケーション力を養うオススメの書籍はこちらで紹介。
ディズニー流コミュニケーションに学ぶ楽しく仕事をする方法
④読解力がつく
読解力とは、文章を読みその内容を「理解する力」のこと。本のページを流し読みするのではなく、疑問を持って辞書で調べたり自分に置き換えたりしながら筆者の考えを解釈しようとすることで読解力を高めることができる。
例えば2019年4月の中国新聞のトップ記事(以下の写真)を例にあげよう。この記事は、おそらく社会人であればさらりと読める内容だろう。しかし簡単に読めてしまうからこそ「へぇそうなんだ」で終わってしまう。
そうならないためには記事中で気になるところに印をつけて意味を確認しながら読む癖をつけると良い。
オレンジマーカーに関連する以下の事柄を調べるだけでも記事全体の理解が深まる。
- 是正勧告とは何か
- 是正勧告に法的拘束力はあるのか
- 労基署とはどのような場所でどのような相談ができるのか
- 月500時間労働とは1日何時間労働に置き換えられるのか
- 現在の法律では許されるのは月何時間労働までか
- 時差出勤制度とは何か
- 時差出勤制度を取り入れている会社はどれくらいあるのか
- 自分の勤めている会社は労働基準法に違反していないか
などなど。
⑤文章力がつく
文章力とは、読み手にとって分かりやすい文章を書く力のことで、豊富な語彙や正しい文法知識から、自らの世界観を上手に表現できる力ともいえる。
まずはこの「文章力」について、より分かりやすく理解するために今現在新聞で連載されている小説『ははのれんあい』を例に挙げてみる。直木賞候補にもなった小説家の窪美澄さんの作品だ。
オレンジマーカーを引いた文章は、僕がこの作品を読んで物語の情景を思い浮かべた箇所。
- 体は桃色の生暖かい綿菓子で包まれ
- まるで光度が上がったように
- いつもの泣きそうな笑顔で微笑んだ
などなど、言葉技巧がとても上手い。まるで物語の主人公になったかのように感情移入できて、彼の繊細な気持ちを追体験できる。これがすなわち作品の「文章力」を示しているのだろう。
それでは次に、読書によって文章力を高めることができるのか?知り合いのライターさんや駆け出し小説家の友人に「どうやって文章力をつけているのか」と話を聞いてみた。すると彼らに共通点があった。それは、好きな作家さんの本を読み「上手いなぁ」と思った描写の仕方・言葉のテクニックをノートに書いてストックしているということだった。
⑥想像力がつく
読書は想像力を磨く。なぜなら本を読みながら、無意識のうちに自分の頭の中で本の中の登場人物やシーンを思い描いて再現するからだ。映像がそのまま頭に入ってくる映画やドラマとは違って、左脳で文字情報を分析してストーリーをイメージするので想像する力が身につく。
例えば、小説を読むことで人の気持ちを想像する力が育まれ、歴史の本を読むことでこれからの世界の在り方を考え、自己啓発本を読むことで幸せな生き方を思い浮かべる力が養われる。
そうやって想像力を鍛えていくとあらゆる知識の断片が糸でピンッとつながって物事を体系的にとらえらる力もついてくる。仕事では役立つアイデアがたくさん出るようになり、問題が立ちはだかっても素早く解決したり、重要な局面でスピーディーな決断ができるという効果も期待できる。
⑦多角的な視点が身につく
様々なジャンルの本を読むことで、一つの物事をあらゆる角度から捉える力(多角的な視点)を身に着けられる。なぜなら一つ一つの本に著者の生き方や考え方がギッシリと詰まっており多彩な価値観を受け取ることができるからだ。
例えば、以下の本を手にしたとしよう。壮絶な人生を歩みどん底から這いつくばって上がってきた人たちの物語だ。
- 嵐に見舞われ無人島に漂流し13年ぶりに帰還した男の話
- 満員電車の中で痴漢に間違われた青年が無実を証明すべく葛藤する話
- ホームレスから年商約30億円の売り上げる会社の社長になった人の話
彼らの生き様や人生観は、あなたのライフスタイルにも何かしらの影響を与えるだろう。読書によって未知の世界を擬似体験できるので、視野が広がり常識にとらわれない物の見方が可能になる。
⑧マインドセットが身につく
マインドセットとは、幸せな人生を歩むための考え方であり生き方であり、進むべき道を指し示してくれる羅針盤となりうる。読書をすることでこのマインドセットを身につけることができる。
なぜなら、本の中には著者の成功談や失敗談がみっちり詰まっており、彼らの歩んできた人生から多くのことを学べるからだ。例えば、僕は「アドラー心理学」という本から次のマインドセットを手にすることができた。
- 嫌われたって良い(人の顔色を伺わずに前進する)
- 不安になっても良い(不安と成長は表裏一体)
- ありのままで良い(自分と他人を比較してはならない)
- 短所があっても良い(短所は長所の裏返し)
- 嫌なことは断って良い(他者の課題を引き受けてはならない)
- 楽観的であれ(物事の成り行きをすべて良い方向に)
- 他者に貢献せよ(一日に一つだけ善い行いをする)
僕にとってはどれも幸福な人生をおくるために必要で人生の教訓にしたいと思える内容だった。感銘を受けた僕は、アドラー心理学×ドラクエⅢ〜嫌われる勇気の始め方〜という記事を書いたほどだから。
⑨ストレスを発散できる
読書嫌いにとって、本を読むことは一見すると「ストレスが溜まる」様に思えるかもしれない。しかし、読書が苦手でも以下の様な目的意識を持って読むことでストレスを発散させることができる。
- 新しい発見をしたい(知識欲を満たしたい)
- 問題を解決したい(モヤモヤを解消したい)
- 学び成長したい(自分磨きがしたい)
- 辛い現実を忘れたい(現実逃避したい)
- 感動したい(泣ける物語を読みたい)
ストレスを発散するということは、言い換えれば別の何かの欲求を満たすことに等しい。つまり、読書の中に「自分の欲求を満たす何か」を見つけてしまえば良いのだ。
例えば僕の場合、毎朝哲学書を読むことを日課にしている。自分の在り方を再認識できて安心感が得られるためだ。上に挙げた例の中では「モヤモヤを解消したい」に近い。これをしないとストレスが溜まってしまう。
3.脳科学的にみた読書の効果とは
読書をしている時の僕たちの脳は、まるで大編成オーケストラのような働きをする。一つ一つの楽器が共鳴し合って美しいハーモニーを奏でるのと同じ様に、脳内の様々な部位がお互いに助け合いながら、目の前にある文字(本の中身)を解釈するのだ。この時、脳で起きていることを簡単に紹介する。
脳の部位 | 役割 |
側頭葉 | 言語の理解や記憶をつかさどる領域。読書では語彙の意味を理解したり大事な情報を記憶する役割を担う。 |
前頭葉 | 思考と創造を担う脳の最高中枢。読書では物語をイメージしたり、内容を深く考察する役割を担う。 |
角回、縁上回(頭頂葉) | 視覚情報を言語に置き換える中枢。読書では文字情報を音情報に変換する役割を担う。(頭の中で音読する作業) |
このように、脳内のあらゆる部位は相互作用しながら活性化される。オーケストラに例えるならば、一人一人の奏者が全体に調和するハーモニーを奏でて感情が高ぶる様子を表わしている。
それでは次に、脳が活性化することでどのような効果を期待できるのか?「読書と脳」に関するいくつかの研究論文を読むと次のことが記されていた。
- 新しいシナプス(情報伝達に関わる神経)が形成される
- 既にあるシナプス回路が強くなる
- 情報処理のスピードが上がる
- 思考力、記憶力、認知力、注意力、言語力、感情表現、IQが向上する
- 認知機能が改善される
4.大人になってから始める読書の効果
大人になってからの読書が遅いなんていうことはない。むしろ大人になってから始める読書にはたくさんの魅力がある。なぜなら、大人になると自らの意思で人生を選択していかねばならず、その過程で「読書で得た知恵」が存分に活かせるためだ。
親に面倒をみてもらい学校生活を送ってさえいれば良かった子供時代に比べると、大人の世界は何百、何千倍も広くて深い。自分でなりたい職を決め、住むところを選び、付き合う人間を考え、好きなことを趣味にして、好きなように生きていける。
世界が広がれば、それだけ多く、読書の効果を実感できる機会も増える。大人になって始める読書のメリットを以下に挙げてみた。
- 成功者の道のりを追体験でき夢を叶える近道を行ける
- 深めたい専門知識や技術を習得しスキルアップできる
- 収入を増やし生活を楽にする効率的な手法が分かる
- 視野が広がり自分のやりたい事が見つけられる
- 仕事に役立つ発想やアイデアがひらめく
- 問題が立ちはだかっても解決策が思い浮かぶ
- 誰とでも会話が途切れない話し方が身につく
- 苦手な人と上手く付き合うコツが掴める
- やる気スイッチの押し方が分かる
- ストレス発散や気分転換ができる
5.本のジャンル別にみた読書の効果
①小説・文学
小説は、作者の構想によって生まれた創作物語で、登場人物や事件、人間社会などが巧みに描写されている。作中の主人公の驚きや悲しみ、喜びや怒り、苦悩などの感情を擬似体験できるため、想像力や思考力を養うことができる。また、小説の文章は念入りに推敲され読者の心に響く文章になっているので、新しい語彙を覚えたり言い回し表現を豊かにしたい人にオススメだ。何より物語にのめり込み純粋に楽しめるのが小説の醍醐味。
②ビジネス・経済
リーダーシップ、マネジメント、マーケティング、セールスなどの仕事術全般と経営、起業、金融・ファイナンス(企業の資金調達やお金の管理)、経済学に関する知識を深める事ができる。出世を夢見る若手ビジネスマンから、部下を上手にまとめたいリーダークラス、独立して成功したい起業家精神の持ち主にオススメ。
③社会・政治
法律、社会学(家庭・地域・学校・企業など人間が作っている「組織」の仕組みを学ぶ学問)、外交・国際関係、政治、軍事、マスメディア、福祉、女性学、NGO・NPO、環境・エコロジーについての知見を広める事ができる。現状を知り、より良い国や世界の在り方について見識を広めたい人にオススメ。
④自己啓発
自己啓発本では、新しい技能や知識を身につけたり、精神的な成長を促すことができる。啓発本のタイトルとして例えば、「コミュ障でも負担なく人脈を広げる方法」、「いちいち不機嫌にならない生き方」、「脳のパフォーマンスを最大限に引き出す時間術」などがある。どれも賢く幸せに生きていくための指南書として活用できる。人生に行き詰まりを感じた人や、自己を高めて一皮剥けたい人にオススメ。
6.読書の効果を上げる本の読み方7選!
①読書ノートに記録する
せっかく読んだ本も、内容を忘れてしまい何一つ身につけることができなかったら勿体無い。そこでオススメするのが読書ノートをつけること。ノートをつけることで、頭の中で整理し記憶を定着させることができる。仕事やプライベートなどの実生活においてお手本にしたいことを記しておけば、後から読み返して再確認するにも役立つ。
身になる読書ノートに必要な項目は次の5つ。
- 日付
- 本のタイトル
- 本の要約まとめ(150-300字程度)
- 良いなぁと思った語彙や言い回し表現
- 一言感想(本の中で一番感動したこと)
ノートの形式は自由でOK。あまり凝ってしまうと継続できなくなるので、慣れないうちは簡単にしよう。記録媒体は、手書きノートでもスマホアプリでもExcelでも何でも良い。それよりも「学びを得よう」という姿勢で取り組むことが大事。
②読んだ本の紹介文を書く
読み終えた本を友人にお薦めするつもりで紹介文(書評や読書感想文の簡単バージョン)を書いてみよう。作成した紹介文は、TwitterなどのSNSに投稿したり、Amazonや楽天ブックスのレビューに掲載しても良い。先に述べた読書ノートに追加してもOK。
大切なことは1冊の本を読んで「はい!終わり」とせずにアウトプットすること。脳に入れた記憶を外に出す練習を行うと、受け身的な本の読み方から脱却でき、読解力や文章力、記憶力、コミュニケーション力や雑談力などの一連の読書スキルを深めることができる。
紹介文は、以下の3ステップに沿って作成しよう。
- 本の魅力をまとめる(最初に結論)
- 魅力を感じた理由を示す(具体的に。自分の考えも添えて)
- 本の魅力を①と違う言い回しで再び伝える(再び結論)
③で「別の言い回し表現」を考える時は、国語辞典や類語辞典を利用するのがオススメ。新しい語彙を覚えることができて表現の幅も豊かになるよ。
③暗記モノは寝る前に
暗記を目的とした読書は、寝る前の30分間に行おう。なぜなら寝る直前にインプットした情報は、新鮮で混じり気がなく脳に定着しやすいからだ。受験勉強ではよく「暗記モノは寝る直前」と言われるが、これは「読書」にも活かすことができる。例えば、日本史や世界史が好きで、歴史上の人物や事件名を覚えたい場合は、寝る直前に読書をすることで脳に刷り込みやすい。
④毎日続けて習慣化する
毎朝の歯磨きのように読書をルーティン化してしまおう。習慣化のコツは、日常生活の中で「読書時間」を規律的に作ってあげること。
- いつもより少し早めに起きて
- 通勤電車のスキマ時間に
- ランチタイムに
- 夜寝る前に
- 休日の朝カフェで
- 落ち着ける静かな図書館で
あなたにとって都合の良い時間や場所、タイミングで「本を開く」を日課にすることがとにかく大事。1日5分だけとか1日10ページだけという目標は敷居が高すぎる。
読む本のジャンルは、気分に合わせていくつかを備えておくのがBEST。疲れているときは「癒しを与えてくれる本」を、よしっ頑張るぞというときは「学びが得られる本」を。映画(コメディ、アクション、ラブストーリーなど多彩なジャンルがある)と一緒で、その日その時の気分に合わせた本を選ぶと心がウキウキして定着しやすい。
三日坊主を回避したいあなたに。脳が受け入れやすい習慣化のコツについて、「読書」を例にして分かりやすくまとめたので確認してみてね↓↓
▶︎YouYube:脳科学的に正しい習慣化のコツは3つ!三日坊主は今日で終了
⑤音読する
本の内容を声に出して読む「音読」には大きなメリットがある。音読をすると(物事を考えたり、記憶したり、意欲を出したりする)前頭葉が活性化されるので、思考力や記憶力が向上し、気持ちが前向きになる効果が期待できるのだ。なぜ、そのような効果が期待できるのか?は、次の①〜④に示すように音読の動作を細かく見てみると理解できる。
- 文字情報を頭に入れる
- 喉を震わせ声に出す
- 鼓膜を振動させ耳で聞く
- 再び脳に情報を入れる(2回目)
黙読の場合は①のみだが、音読になると②〜④が加わるので脳全体が満遍なく働いて活性化されるのだ。それでは実際に音読によってどのような効果が表れるのだろうか?僕自身の経験から良かった点を紹介する。
- 流し読みせずに考える癖がつく
- 読めなかった漢字が読めるようになる(都度調べるため)
- 続けるうちに音読が早くなる(頭の回転が早くなる)
- 黙読よりも読んだ内容を覚えている(記憶力が格段に上がる)
- 読んでるうちにランナーズハイになり気持ち良くなってくる
- 頭がスッキリしてストレス解消になる
⑥目的を持って読む
目的を持って読書しよう。そうすると読解力(文章を理解する力)を磨くことができる。なぜか?「目的」=「手に入れたい情報」=「お宝」と考えると読書自体が楽しくなるし、まるで本当に「宝探し」をするかの様に必死になって文章を読み込むからだ。
宝を見つけるためには、文と文の論理的関係、語と語の意味的関連、文章の筋道も理解しなければならない。また、未知の語彙と遭遇すれば意味を調べながら進むほかない。そうやって読解力は必然的に洗練されていく。
「宝探し読書」の手順は以下の通り。
- 目次を見て全体の流れを捉える
- 求めている情報がありそうな見出しを見つける
- 見出しの章をパラパラめくってアタリをつける
- アタリをつけた文章の前後の文脈を理解する
目的の知識・情報を手に入れるまで読み漁ろう!
⑦電子書籍で読む
電子書籍のメリットは、本の中で自分の欲しい情報にピンポイントに辿り着けることだ。紙の本に比べて、数倍早く「探し物」が見つかるので、目的を持って調べものをする際に重宝する。
例えば、以下に示すアドラー心理学の書籍の中から「嫌われる勇気」に関する記載のみを見つけたい場合。
電子書籍なら、検索機能を使って「嫌われる勇気」と入力するだけで、瞬時に一致するページに飛ぶことができる。
ページに飛ぶと、「嫌われる勇気」のフレーズがグレー色で塗られており、一目で分かる。
さらに、分からない箇所をタップすると「辞書」が自動で開きその意味を教えてくれる機能もありがたい。
次のようにページをブックマークすることも可能で、いつでも気軽に読み返すことができる。
以上、電子書籍を利用するメリットをまとめてみた。
- キーワード検索ができる(膨大なページ数から瞬時にお目当のページが見つかる)
- 作中の未知の単語をタップすれば自動で辞書が開く(効率的に理解を深められる)
- ブックマークが可能(大事なところをすぐに確認できる)
これらを、もし「紙の本」で行ったとしたら…総数100ページ以上の本の中から「嫌われる勇気」の活字のみを探し出すのは至難の技だし、分からない用語をイチイチ辞書で調べるのにも時間がかかる。更にページに印をつけるためには付箋紙を貼る必要もある。紙の本の場合は、一連の作業に最低5分は要するだろうが、電子書籍なら1分以内に完了しストレスもない。
ちなみに、僕が使っている電子書籍(これまで説明に使った写真)は、スマホやタブレット、PCなどで利用できるAmazonのサービスの「Kindle」というもの。
Kindle(キンドル)では、小説・ビジネス本・実用書・コミック・雑誌・洋書など幅広いジャンルを「読み放題」で楽しむことができる。今現在は、30日間の無料お試し体験を実施していて、本来有料であるはずの本が全て「読み放題」となっている。
早速、無料期間中に読めるもので「読書の効果」を高める参考書として役立つ良書を厳選してみた(以下、図)。
購入すれば1万円近くするこれらの本は、今なら無料で読むことができる。読書を習慣化したいという人は手始めに試してみよう。
公式サイト:Amazon「Kindle」
7.読書の効果が得られない読み方に注意
表面をなぞっただけで深みのない読書はオススメしない。得られるものが少なく、ただ時間を浪費するだけになってしまうからだ。本記事の冒頭(2.読書によって得られる9つの効果)に示した様な効果を期待したい場合には、以下の読み方をしないように注意してほしい。
読書の効果が得られない7つの読み方
- 目的意識を持たずに読む
- 字ヅラだけ追って流し読みする
- 早く読むことばかりに意識が集中する
- 分からない語彙があっても調べない
- 大切な箇所に印をつけない
- 読んだ本の内容をアウトプットをしない
- 読んだ本を読み返すことがない
僕の友人で「本が好きで人より読書しているのに、語彙も乏しく、文章を書くのも苦手で、人にものを上手く説明できない」と悩んでいる人がいる。本好きなのに何故?と思うだろう。
少し考えてみるとこの現象は簡単に説明がつく。僕は映画好きで年間300本以上のタイトルをみるが、正直なところ何の能力も身についていない。それどころか映画の内容も忘れてしまっていることがほとんどだ。その理由は、娯楽が目的で「学び」を得ようと努力していないからだろう。
読書も一緒。たくさん本を読んだからといって、活字慣れはくらいはするだろうが効果なんて大層なものは得られない。人は1日経つと約74%、1週間経つと約80%も忘れてしまうのだから。(参考:エビングハウスの忘却曲線)
つまり、ただ読むだけの受け身の読書ではなく、考え、想像し、覚えて、アウトプットし、復習するといった能動的な読書を心がける必要がある。読書に効果を求めるのなら「学びを得よう、モノにしよう、明日に活かそう」という積極的な姿勢で取り組むことが大切なのだ。
8.本を耳で聴く!?耳読書の効果とメリットについて
①耳読書とは?その効果は?
耳読書とは、本の内容を(目を使わずに)耳から聴くことができる新しい読書の形を指している。近年、スマホ片手に好きな音楽を聴く感覚で、本を丸ごと一冊簡単に聴ける「オーディオブック」というサービスが急速に普及しており、一度は耳にしたことがあるだろう。
プロのナレーターや声優が、書籍に感情を込めて、抑揚やリズム、間をつけて朗読してくれるので頭に入りやすい。ビジネス書はつるっと理解しやすく、小説はまるでその場にいるかのように臨場感たっぷりに読み上げてくれる。
同じ本でもただ活字を読み流すのと、心を込めて読み聴かせてもらうのでは、伝わり方や記憶への定着に大差がある。そもそも人間は、「文字」より「音」の方が頭に残りやすく(参考:メラビアンの法則)、耳読書は打ってつけなのだ。
それだけではない、耳読書の最大の利点。それは、両手が塞がっていようが、暗闇だろうが、いつでもどこでも読書ができるということだ。スマホに数百の本を入れて持ち歩けるため、本棚やカバンの中も嵩張らずに済む。
②耳読書が向いてる人
こんな人は耳読書がピッタリ。
- 電車やバス、車通勤のムダな時間を有効活用したい人
- 部屋の掃除や洗濯、料理の時間を有意義に過ごしたい人
- 散歩やランニングしながらも「学び」を得たい人
- お風呂に入りながらリラックスして読書したい人
- 活字に苦手意識を感じるが「音声」には抵抗を感じない人
- 部屋の明かりを消して夜寝る前に読書の世界を楽しみたい人
僕自身は、車の長距離運転をするときに「耳読書」を行ってる。サラリーマン時代には、ひたすら行きと帰りの車の中でビジネス書を聴いてた。何しろ通勤に片道1時間以上かかっていたので時間が惜しかったからだ。
通勤時間の無駄を無くして人生の質を上げる9つの方法の記事にも書いたけれど、たとえば片道1時間の通勤なら1日で2時間の損失。1週間で10時間。1ヶ月で40時間。1年で480時間も非生産的な時間を抱えることになってしまう。
もしこの「480時間」を読書に費やした場合、何冊の本が読めるだろうか?ビジネス書なら(オーディオブックを利用して)1冊4時間程度で読み終えることができるため、年間で120冊。1ヶ月あたりに換算すると10冊の本を読破できてしまうのだ。
③オススメのサービスは「Audible」
耳読書でオススメなのが、Amazonの本を耳で読むサービス「Audible」。
Audible(オーディブル)では、ビジネス、自己啓発、小説、落語、洋書など20以上の豊富なジャンルを揃えており、人気作家のベストセラーから名作までをプロの声優や著名人の朗読で楽しむことができる。
個人的に、Audibleを利用して便利だと思う点をまとめてみた。
- 大事な箇所を手軽に聴き直せる(簡単にブックマークできる)
- 3.5倍速まで再生速度を上げられる(集中力がUPする)
- アプリを閉じても再生位置が保持される(ストレスがない)
- タイトルの返品や交換が可能(声が合わなければ即返品可)
- 会員になると毎月1枚コインが貰えて、オーディオブック1冊(好きなものを選べる)と無料交換できる
Audibleは毎月1,500円の有料サービスなので、本当にあなたにマッチした相応しいサービスかどうか。まずは、お試し版(無料)を試してみよう。
今、お試しで登録をするとコイン1枚(どんな高価な本でも1冊無料で手に入る)+30日間の無料体験(有料会員だけのコンテンツ聴き放題)がセットで貰えてお得になっている。
この期間中なら「やっぱり自分に合わないなあ」と退会しても一切お金はかからないし、もらったコインで購入した本は返品しなくて良い。永遠にあなたのもの。公式サイトを載せておくね。
公式サイト:Amazon Audible
〜audibleの活用方法について〜
僕自身は、長距離運転(1時間30分程)をする際に、とてもお世話になっている。本来、運転しながら本なんて読めないが、audibleを使えばビジネス書を聴きながら運転時間を有効活用できることに魅力を感じているよ。
ちなみに僕の友人は、家から会社まで約2時間の通勤(家→バスで10分→電車で1時間40分程(乗り換え3回)→会社)をaudibleで満喫している。彼曰く、吉本芸人のチャンネルや落語チャンネルが楽しくてハマっているのだとか。
出典:本を耳で楽しむ「audible」を利用する
9.読書効果に関するまとめ
読書に意味や効果を求めるのはナンセンスだという人もいるが、僕は素晴らしいことだと思う。ただ読み流すのではなく「学びを得よう」と主体的な姿勢で取り組むことで、同じ読書でも何倍も何十倍も自分の為になり将来に活かすことができる。
本記事で紹介した6.読書の効果を上げる本の読み方7選!を持ってして、本を読むように心がけていれば、以下の読書効果が期待できると信じて励もう。
語彙力、雑談力、コミュニケーション力、読解力、文章力、想像力、多角的な視点、マインドセット、ストレス発散
読書が苦手な人は、肩の力を抜いて気楽な本を選ぶことから。本を手に取った時に心の何処かに拒否反応を示すようなものは選ばないこと。「読まなければ…」と無理せずに「面白そうだ!」と思えるものをチョイスして欲しい。
あなたが素敵な読書ライフを過ごせるよう願っている。